現在臨床検査技師として働いている方は、どのような不満がありますか?「思っていた仕事内容ではなかった」、「仕事の量の割には給料が少ない」、「今の給与が臨床検査技師として平均的な給与なのか」などさまざまな悩みを抱えている方もいるでしょう。
そこでこれから臨床検査技師として働いていく方のために、臨床検査技師の平均的な年収やどのような施設が将来的に収入アップを見込めるかなどを紹介していきます。
臨床検査技師の年収はどれくらい?
臨床検査技師の仕事は、病院、クリニックだけでなく、健診センターや治験コーディネーター、一般企業と多くの種類があります。それぞれ、年収は異なりますが、一般的に初任給は20万前後でさらに手当てがプラスされます。
若いうちは給与が抑えられていることが多く、知識や経験または資格を取得するとさらに年収アップが見込めます。また賞与も、施設によりさまざまですが多くの場合、年2回で3~5ヶ月前後となります。
人事院の調査によると、平成28年度の職種別民間給与実態調査の結果によれば、臨床検査技師の一ヶ月当りの給与は34.5万円という結果が出ています。同じ医療職の中でも、理学療法士、作業療法士よりは多く、診療放射線技師よりは少ないという結果が出ています。
あくまでも、1ヶ月あたりの平均的な給与ですので年齢や施設の規模によっても年収は変わります。また地方では、1ヶ月あたりの給与はさらに下がることがあります。
年齢別の年収の差はどれくらい?
年収は、臨床検査技師として働く施設の規模によって異なります。厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、年齢によっても年収に差があることが分かります。
たとえば、100~999人の規模の施設で臨床検査技師(男性)の場合、25~29歳の現金支給額は、26.3万円ほどになることが想定されます。
また、前述の調査では35~39歳の場合、36.2万円となっているので、経験や知識を身につけると少しずつ年収が上がっていくことがわかります。
10人~99人の規模の施設では臨床検査技師(男性)で25~29歳の場合、21.6万円となります。また35~39歳は26万円となりこちらも年齢が上がるにつれて年収も増えますが、100~999人の規模の施設に比べて大きく減っていることがわかります。
勤務時間はシフト制?残業は多い?
一部の大規模な病院では、シフト制が多く施設によっては残業がある職場もあります。基本給は小規模のクリニックや健診センターに比べて高いですが、幅広い検査業務を行うので覚えることも多く、夜勤など大変な一面もあります。
クリニックはシフト制が多いですが、残業が少なく夜勤があまりありません。検体検査や生体検査などを行いますが、検査をおこなう機器に限りがあるため、専門的な知識が身に付きにくいということも考えられます。
将来的に年収アップを希望している場合は、詳しい検体検査ができる検査センターや、需要の高い超音波検査など生体検査を行える施設も候補のひとつとして考えておきましょう。
また検査センターでは、シフト制が多く夜勤がある場合もあります。そのため、基本給が少ない場合でも、夜間手当や残業代などが増えることも考えられます。
地方の病院の場合、人材不足が考えられるため病院によっては、残業が増える場合もあります。
臨床検査技師として働いている方は、現在の給与がどの程度かわかっていただけたでしょうか。このまま同じ勤務先で働き続けても大丈夫なのか、転職してスキルアップを目指した方がいいのかなど、考えるきっかけになったかもしれません。
年齢だけでなく、知識や経験が増えると比例して年収も増えます。これから先働く場所を探しているのであれば、できるだけ患者の多い大規模の病院で働き知識を身につけ、需要のある検査が経験できる施設を選ぶようにしましょう。