医療用以外の用途でエックス線を使用する際に必要になるのが、「エックス線作業主任者」の資格です。誰でも受験することができますが、どんな仕事で活かせるのかわからない人も多いでしょう。そこで、エックス線作業主任者の仕事内容や需要についてお伝えします。
エックス線作業主任者の仕事内容
エックス線作業主任者は、労働安全衛生法に基づいた国家資格です。医療用以外で1Mev未満のエックス線を使用する際の直接責任者として、管理区分ごとに選任が義務付けられています。
エックス線を使用する検査装置の管理や点検を行い、不必要に被ばくしないようにするのがエックス線作業主任者の主な仕事です。つまり、エックス線作業主任者は、エックス線を使用する作業現場での働く人たちの健康を守る仕事と言えるでしょう。
エックス線作業主任者になるには
エックス線作業主任者になるには、安全衛生技術試験協会が実施するエックス線作業主任者試験を受験する必要があります。この試験は誰でも受けることができます。しかし、免許は満18歳以上でなければ交付されません。
試験は全国7か所にある安全衛生技術センターで定期的に行われています。各センターで開催回数は異なるものの、通例では3~6回となっています。マークシート方式による学科試験のみで、実技試験はありません。試験に合格した人は、東京労働局長へ交付申請を行ってください。
また、以下の資格を持っている人は、住所もしくは勤務地を管轄する都道府県労働局長へ交付申請すると、無試験で資格を得ることができます。
- 診療放射線技師
- 原子炉主任技術者
- 第一種放射線取扱主任者
幅広く活躍できる?気になる年収は?
エックス線作業主任者は、エックス線を用いた検査を行う場所が仕事場になります。そのため、非破壊検査や分析を行う検査会社に所属する人が多いでしょう。また、製造業や造船業、重工業、機械設備関連企業の品質保証部門や検査部門などで働いている人もいます。さらには、鋳物メーカーや建設業者、貴金属の取扱業者など、活躍の場は実に幅広いと言えます。
エックス線作業主任者は求人も多く見られます。年収は400万円前後のところが多く、資格手当がつくことがほとんどでしょう。単独では決して高い給料を得る仕事ではありませんが、ガンマ線透過写真撮影作業主任者など関連した資格を取得することで、高い賃金を得ることも可能です。また、複数の資格を持っていることで転職にも有利になります。
エックス線作業主任者は、試験の開催数も多く、難易度も比較的低いため取りやすい資格の一つです。製品検査などに興味がある人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。