診療放射線技師は検査技師の中でもよく知られた資格の1つです。最近は、放射線を使わない検査も増えているようですが、診療放射線技師には将来性がないのでしょうか。今回は、臨床検査技師の仕事内容や資格取得方法、将来性について現状を分析してみました。
診療放射線技師に興味を持たれている方や、目指している方などは、ぜひ参考にしてみてください。
診療放射線技師の仕事内容とは
放射線を用いる検査のスペシャリストである診療放射線技師は、医師や歯科医師の指示に従ってレントゲン検査などを行います。レントゲンは虫歯治療の際にも使われる一般的な検査ではありますが、放射線は正しい取り扱いで照射しなければ、人体に悪影響を与えかねません。そのため、放射線の照射ができるのは医師と歯科医師のほかには、診療放射線技師だけと決められています。
診療放射線技師の職場は、病院やクリニックが大半ではありますが、放射線を扱う他の検査機関や原子力関係の研究機関、発電所などの求人もあります。また、健康診断を行う施設も診療放射線技師の活躍の場です。
これまでは、診療放射線技師の仕事といえばレントゲン撮影でしたが、医療技術の進歩により、放射線を使用しない検査でも診療放射線技師が活躍するようになってきました。なぜなら、超音波エコーやCT、MRIでの検査も診療放射線技師が担当することが増えているからです。
血管の通りを確認する造影検査、臓器を詳しく検査できるラジオアイソトープ検査など、需要が高まっている検査も診療放射線技師が担当することがあります。
診療放射線技師になるには
診療放射線技師は国家資格なので、診療放射線技師国家試験に合格する必要があります。受験資格は決まっており、高校卒業後に診療放射線技師養成校として文部学大臣の指定を受けた大学や3年制以上の短期大学、専門学校の課程を修了、または終了見込みであれば受験資格が与えられます。
診療放射線技師の国家試験は年に1度で、2月の下旬頃にあります。試験の合格率は厚生労働省の平成27年のデータでは、全体で78.8%となっています。新卒者と既卒者を分けてみると、新卒者は90.9%と高い合格率であるのに対し、既卒者は35.1%と大きな開きがあります。指定の学校で勉強して、新卒時に受験して合格しておくのが、資格取得の最短距離といえるでしょう。
養成学校では、病院での臨床実習でさまざまな検査を実際に体験します。国家試験合格のために、授業時間数などかなりハードなカリキュラムが組まれている学校もありますが、目標に向かって頑張りましょう。
診療放射線技師の将来性は?
「医療技術の進歩によって放射線を利用しない検査が増えているから、診療放射線技師は需要が減るのでは?」ということが気になる方もいるかもしれません。確かにその傾向はありますが、実際は検査方法の変化に伴って診療放射線技師の受け持つ患者や仕事内容は変化しています。
レントゲン撮影が主な仕事であったのが、現在はCTや超音波エコー、MRIなどの放射線を用いない検査でも診療放射線技師が担当するようになっています。他にも、造影検査で血管の状態を検査したり、臓器を診るためのラジオアイソトープ検査をしたりと、診療放射線技師が活躍するようになっています。そのため、最新技術に対応できる診療放射線技師であれば、需要は今後も十分にあるはずです。
また、乳がん検診でマンモグラフィ検査が行われるようになったため、女性が抵抗なく検査を受けられるようにするためにも、女性の診療放射線技師の求人は少しずつ増えています。
診療放射線技師はという仕事は以前から存在しており、目新しさもないようにも感じられますが、業務内容は時代に合わせて変化を続けています。
診療放射線技師を目指す人は多いですが、今後もさまざまな検査で診療放射線技師の活躍が見込まれます。放射線を使う検査が減ったからといって、診療放射線技師の出番が減ることにはならないのです。