医学物理士とは放射線を使った治療が適切に行われるように医学物理学の専門家として働く仕事です。医学物理士は医師と常にコミュニケーションを取り合い、どのような治療に効果があるのかまたは安全性などを調査します。また診療放射線技師とは治療に使う機械や画像などの品質管理を行います。
さらに放射線で診断する際の医学物理学的研究開発を行うこともあります 。また治療する際に患者が受けた放射線量が適切な吸収線量なのかまたは位置などの精度なども確認します。また診療放射線技師が医師の助言のもとに治療が行われているかもチェックします。これらの内容から考えると医師や診療放射線技師などの仕事と重なる部分もありますが、医学物理士は医学物理学の専門家として診断や治療に関与していきます。
医学物理士にはどのような資格が必要?
医学物理士になるには医学物理士認定機構が認定を受ける必要があります。 試験に合格したら業務基準を満たした上で認定申請したあとで審査を受けます。
医学物理士になるには四つの方法があります。
- 医学物理士認定機構が認定する医学物理教育コース終了する
- 理工学系の大学の修士もしくは博士の学位を取得する
- 放射線技術系の大学の修士もしくは博士の学位を取得する
- 大学の医学物理教育コースで修士もしくは博士の学位を取得する
その他にも医学物理士になるには、決められた臨床研修や業績などの経験が必要です
医学物理士の勉強ができる大学は、認定医学物理教育コースとして認定されています。認定医学物理教育コースを修了した方は優遇措置を受けられます。
医学物理士の年収はどれくらい?
医学物理士は診療放射線技師の資格を取得する場合がほとんどですが、医学物理士の資格を取ると一部の医療機関では手当てが付く場合がありますが、年収が増えるということはあまりないようです。しかし英語ができると外資系の医療機器会社に転職できるので年収アップも期待できます。
一般的に医学物理士の年収は 400万円台から600万円台が多く中にはそれ以上をもらっている方もいます。多くの施設では医学物理士の残業が多いため放射線技師が不足していることが予想されます。また医学物理士としての即戦力となる人が不足しているため、さらに需要が増えていくでしょう。 医療機関によっては当直業務などが発生する場合があるのでさらに残業代が増えることも予測されます。
医学物理士として転職するには
療放射線技師として働いている経験があれば、医学物理士として転職することは可能です。多くの方が診療放射線技師として働いていく中で専門的な知識が必要だと感じた時に医学物理士の資格を取ると言う方が多いようです。医学物理士は医療機関だけでなく医療機器メーカーで働くことも可能です。
医学物理士はほとんどの方が診療放射線技師として働いているため就職先はあまり変わりません。ほとんどの医療機関が、放射線治療の経験や医学物理士の資格を持っていることを条件としています。医学物理士になるには、理工学系の大学を卒業し大学院に進学するか、 医療機関での臨床経験を5年以上あれば、医学物理士の認定試験を受験できます。
医学物理士に転職するメリット
診療放射線技師が医学物理士の資格を取ると、専門的な知識を身につけることができるため転職しやすくなります。医学物理士の資格を取ったからといって給料が増えたり、昇進したりするというメリットが少ないですが、医学物理士だけでなく診療放射線技師として働けるので、仕事の幅が広がります。
医療機関で働く人が年収の高い医療機器メーカーなどに転職を希望した場合、医学物理士の資格を持っているとさらに有利となるでしょう。 診療放射線技師の資格を持っていても放射線治療の部署に配属されない場合は医学物理士の資格を持っていると放射線治療に関わる仕事につける可能性が高くなります。 放射線治療の経験がない方は医学物理士の資格を持っておくと良いでしょう。