細胞検査士とはどんな仕事?
細胞検査士とは、医師が採取した細胞を標本にし、医師の指導のもとで、顕微鏡を使い細胞にがんなどの異常な細胞がないかを調べる仕事です。細胞検査士は、主に大学病院や総合病院など比較的大きな医療機関で働くことが多く、その他には検査センターで働く人もいます。細胞検査士がよく取り扱う検査の中には、子宮がん検診で採取した子宮内部の細胞や、肺がん検診で患者が提出した痰や、乳がん検診で採取した乳房の細胞などがあります。
細胞検査士は、細胞を受け取り、標本をつくり異常な細胞を探したあとの検査結果までを管理します。病気の診断は病理医がおこない、その後担当医師に報告されます。がんなどの早期発見にもつながる大変責任のある重要な仕事です。
細胞検査士になるにはどんな資格が必要?
細胞検査士になるには、日本臨床細胞学会がおこなっている「細胞検査士」(CT JSC)の認定試験に合格する必要があります。細胞検査士資格認定試験の受験資格は、臨床検査士と衛生検査技師ですが、現在衛生検査技師の養成学校はありませんので、実質臨床検査技師のみとなります。細胞検査士の受験資格には、臨床検査技師または衛生検査技師として1年以上の実務経験がある者または細胞検査士養成所か養成コースのある大学を卒業または卒業見込みの人が受験できます。
細胞検査士の試験は一次試験と二次試験に分かれており一次試験は毎年10月末頃東京と大阪で行われています一次試験に合格すると二次試験は12月に東京で行われ、二次試験に合格すると細胞検査士の資格が与えられます。
細胞検査士の年収はどれくらい?
細胞検査士の年収は医療機関など働く場所によって異なりますが、300万円台から600万円台です。病院で働く細胞検査士は正社員の他に契約社員なども多く、検査センターは正社員で働く人が多いです。求人を確認すると、初任給は低く設定されていますが細胞検査士の経験や知識があると比較的年収も上がります。
また大学病院で働く細胞検査技師は他の医療機関ではたらく細胞検査技師よりも比較的給料が高いのが特徴です。細胞検査士は急な残業や休日出勤などもほとんどなく残業代が発生することも少ないです 。現在は大学病院や総合病院などの医療機関や検査センターで働く人がほとんどですが、がん検診などを受ける方も増えているので、ますます細胞検査士の需要も高まっていくでしょう。
細胞検査士に転職するには
細胞検査士に転職するには、細胞検査士の認定資格が必要です。もちろん経験者が優遇されますが、細胞検査士に合格していれば、未経験の方や経験があまりない方でも転職しやすくなります。経験のない人は勉強しながら技術を習得していくことも可能です。細胞検査士の資格を取得していなくても、臨床検査技師として働いた経験があれば、転職することもできます。基本的に、医療機関では土日が休みで残業も少ない職場がほとんどです。
転職先は、医療機関の他に検査センター、医療機器メーカーで働く細胞検査士もいます。医療機器メーカーの求人は比較的少ないですが、年収も高い場合が多いです。ただし、ほとんどの場合細胞検査士として豊富な経験を求められています。
細胞検査士に転職するとどのようなメリットがある?
細胞検査士は、自分の目でがん細胞を発見し、病理医などに詳しく説明できなくてはいけません。そのため、集中力と経験、知識が必要となっていきます。患者と直接接することは少ないですが、がんの早期発見のお手伝いができるとてもやりがいのある仕事です。
また、医療機関、検査センターなどは、残業や休日出勤なども少ないので、小さな子供がいる方や、介護の必要な方がいる人でも働きやすいです。正職員だけでなく、パートやアルバイトとして働いている方も多いので、自分のライフプランに合わせて働き方を選ぶことができます。また、英語力があれば外資系で働くことができ、年収が高くなり海外に活躍の場を移す方もいます。