"臨床検査技師の仕事は、どこの病院で働いてもあまり変わらないと思っていませんか? たしかに同じ規模の病院やクリニック、検査センターなど仕事が似ているかもしれません。しかし、同じ内容の仕事をしていても施設によってはあきらかに給料が変わることもあるのです。
また有給取得がとりにくい、福利厚生が十分ではないという施設もあるでしょう。やはり大規模の施設は、いろいろな面で優遇されている場合がほとんどです。今働いている施設で自分の能力と給料があっているのか、もっとよい条件の良い求人があるのかなど、気になった方もいるでしょう。そこで今回は、大学病院やクリニックなどの施設で働く臨床検査技師の待遇についてご紹介します。
臨床検査技師の年収はどれくらい?
臨床検査技師の給料は、施設によって違いますが、どれくらいもらっているのでしょうか。厚生労働省の平成27年賃金構造基本統計調査によると、20~24歳では、250,781円、24~28歳では270,531円、28~32歳では288,109円、32~36歳では312,622円、36~40歳では331,740円、40~44歳では353,972円、44~48歳では390,371円と、年々給料が上がっているのが確認できます。
臨床検査技師の平均では、40.2歳で345.685円でした。栄養士が36.9歳で278,709円、理学療法士が平均年齢32.2歳で296,769円とかなり差があることがわかります。
また、企業規模で見てみると500人以上の施設で働く臨床検査技師の給料の場合、平均年齢39.5歳で363.877円、100人以上500人未満の施設で働く臨床検査技師の場合、平均年齢が41.6歳で312,822円と大幅に違うことが確認できます。(参照:人事院「民間給与の実態 」)
大学病院が環境的に一番恵まれている?
臨床検査技師の給料の推移をみると、施設ごとで給与水準に違いがあることがわかります。500人以上の施設で働く臨床検査技師が363,877円と最も高いということになります。
500人以上の施設と言えば、大学病院や大きな総合病院です。また、当直や待機手当、深夜手当など施設によって名前は異なりますが、基本給以外にも手当があるので、さらに毎月の給料は増えていくでしょう。
やはり大学病院は人員も常に確保でき安定しているので、有給所得や福利厚生なども他の施設に比べて優遇されています。また、臨床検査技師の学校をすぐ卒業したあとに、大学病院で働くと将来他の病院に転職しやすくなります。それは、大学病院でいろいろな経験をつみ、研修を受けているということが評価されるためです。
また大学病院の場合、国立であれば公務員と同じ扱いになります。公務員試験を受けなければならないので、さらに他の施設に比べて就職するのが難しくなるでしょう。
総合病院やクリニック・検査センターでは?
100人以上の施設で働く臨床検査技師の給料は、100人以上500人未満の施設で働く場合、平均年齢が41.6歳で312,822円と、500人以上の施設で働く臨床検査技師と比べると約5万円も違うことがわかります。
また、50人以上100人未満の施設では、平均年齢が43.2歳で平均支給額が302,120円となっています。施設の規模が小さくなるほど、平均支給額も減っていくようです。しかし、クリニックの場合、そのクリニックの儲けによっても給料は変わっていきます。
一概にすべて大学病院など大きな施設だけが高いと考えるのは、違う場合もあります。大学病院や総合病院と比べて、クリニックは給料がよくてもどのような病院かわかりにくいというデメリットがあります。求人情報だけでわからない内容もあるので、ある程度は自分で調べてみて、判断に迷ったときは専門家に相談してみてもいいでしょう。
そして、給料が上がりやすいのはやはり大学病院や総合病院です。オペ室勤務といった特殊体制であれば残業もあります。また、クリニックまたは検査センターでは、少しずつあがっていく施設が多いようです。" 臨床検査技師は、施設によって大きく給料が変わっていくのがわかりました。また他の一部の職種に比べても平均給与額は多いということもあります。ただし、あくまでも平均給与額ですので、参考程度にしておきましょう。まずは、今働いている施設が自分にあっているか、また将来患者と接する仕事がいいかなど、やってみたい仕事が他の施設にある場合、どのような給与の違いがあるか確認しておきましょう。