診療放射線技師は、患者の検査や治療のために放射線を扱うことのできる専門職です。
使い方を誤ると人体に害を及ぼす危険性があることから、放射線を使用することが認められているのは医師、歯科医師、診療放射線技師のみとなっています。
最近では、医療の業界においてもより高い専門性を求められることが多くなり、診療放射線技師はこれからますます需要が高まっていくことが予想されています。
では、診療放射線技師になるためにはどんな方法があるのでしょうか。
診療放射線技師国家試験を受けるには受験資格が必要です
診療放射線技師を目指すにあたり必ず通らなければならないのが、診療放射線技師国家試験に合格するという道です。
この国家試験は誰でも受験できるわけではなく、4年制大学、医療系3年制短期大学、3年制専門学校、および定時制専門学校(4年)で専門的なことを学び、修了しなければなりません。
いずれかの大学もしくは専門学校を修了し国家試験に合格すると、厚生労働大臣から診療放射線技師の免許を与えられ、医療現場で働くことが認められます。
文部科学大臣指定の診療放射線技師を養成する専門学校や大学の数や定員数は、その年によって変動することがありますので、学校を選ぶ際には最新の情報を揃えてから検討しましょう。
国家試験の合格率は約70%で、年によってバラつきはありますが毎年3000人弱の受験者がいます。その受験者のほとんどが学校の卒業と同時に受験をする新卒者であり、新卒者の方が学んでから試験までのブランクが無い分、合格率も高くなる傾向にあります。
大学で学ぶ場合について
学費の面から考えると、一番抑えられるのは国公立大学だと言えます。
国公立大学での学費を見ていくと、入学金に約30万円、学費は年間約55万円ですので、4年で卒業することを想定して換算した場合、学費は約250万円となります。
しかし入学するための試験は容易ではありません。センター試験と個々の大学独自の試験の両方を受験しなければならないですし、センター試験に必要な科目は5教科ありますので入試に向けての準備は一番大変だと言えるでしょう。
一方で私立大学の場合、学費は国公立大学の約3~4倍が相場だと言われています。
しかしセンター試験を受ける必要がなく、それぞれの私立大学独自の試験となり、その難易度は大学によって差があるのが特徴だと言えます。
診療放射線技師を目指すにあたり大学を選択することのメリットは、大学院への道が開けるので、より高度な検査や治療に関わることができる資格の取得にも近づくことができるという点です。
専門学校で学ぶ場合について
専門学校の場合、学費の面では4年制の国公立大学よりもトータルの金額は多くなることが想定されます。
入学金が30万円前後、年間の学費が約120万円ですので、3年間で約400万円となります。
入試には様々な枠があり、一般入試やAO入試、推薦入試など在籍している高校からどのようなルートがあるかにより入試の方法も違ってきます。
入試に限って言えば、専門学校の方が国公立大学や私立大学などの大学より準備するべきことは少ないかもしれませんが、入学してからは数学や物理に基づく授業が多いので高校の教科書レベルの内容は基礎として身につけておかなければなりません。
診療放射線技師を目指すにあたり専門学校を選択することのメリットは、やはり医療の現場に最短で従事することができるという点です。
初任給も4年制大学卒業者とほとんど変わらないため、他の一般企業の初任給よりも高い水準からスタートできる場合が多いです。
診療放射線技師になるためには大学もしくは専門学校を修了して国家試験を受験する必要があり、試験に合格しないと働くことはできません。
大学と専門学校では学費と入試の面で大きな違いがあり、目指す学校によって準備するべきことが変わりますので、確認してから取りかかりましょう。
また、大学や専門学校に推薦入試の枠がある高校に在籍している場合は、比較的スムーズに入学することができますが、入学してからの授業の内容は始めから易しいものではありませんので、数学や物理の基礎は必要不可欠です。
社会人を経て診療放射線技師を目指す方は夜間の専門学校(4年制)もありますので、働きながら学ぶという選択肢を視野に入れることができます。