CHDF(持続血液透析濾過法)とは、人工透析などの治療が必要な患者の血液を体外に出し、補液や透析液を使いながらダイアライザーと呼ばれるろ過器を通して持続的にろ過・透析を24時間続けて行う治療です。
時間をかけて少しずつ治療を行うため、体に与える影響が少なくなります。老廃物や余分な水分を除去したあと、体に必要な成分を体に戻す方法です。血液浄化法には、血液透析(HD)・血液ろ過透析(HDF)・持続的血液ろ過透析(CHDF)の3つの方法があります。それぞれ病気の種類によって異なる治療法を選びます。
CHDF(持続血液透析濾過法)をする病気とは
CHDF(持続血液透析濾過法)の治療に適応する疾患は、急性腎不全・多臓器不全・急性膵炎など、急を要する重症患者に使われることが多い治療です。急性腎不全になると、体の中で尿を作るのが難しくなるため、不要な老廃物や水分が体に残ってしまいます。
また、多臓器不全で腎不全などを起こしている場合は、人工透析が必要になります。重症の急性膵炎は、腎不全を起こすことがあるため、人工透析の治療が必要になることがあります。
CHDF(持続血液透析濾過法)の副作用
CHDF(持続血液透析濾過法)などの人工透析を行う治療は、一度体の外に出した血液を体に戻すため、合併症が起こる可能性があります。また、カテーテルを刺したときの出血や血管の損傷などが起こる可能性も0ではありません。
その他にも、高血圧や感染症などを起こすリスクがあります。
感染症は、カテーテルを刺した場所に細菌が入ることで起こります。また、透析を始めたばかりの人は透析中や透析が終わったあとに、腹痛や吐き気などの症状を起こすことも少なくありません。しかし、透析に慣れれば、この症状は治まる場合も多いです。
いずれも予防方法があるので、治療を行う前にどのような副作用が起きやすいか、また、人工透析の方法を変えるなどの対処が必要です。人工透析を行う臨床工学技士は、このような副作用について、常に患者の体調を把握しておかなければなりません。
CHDF(持続血液透析濾過法)で起こりやすい合併症
CHDF(持続血液透析濾過法)で起こりやすい合併症は2つ考えられます。
脱血不良
血液を抜いている間に起こる状態です。カテーテルを刺した状態が悪かったり、詰まったりすることが原因で起こります。
感染症
腎不全などの患者はもともと免疫力が弱いため、感染症にかかりやすいというリスクがあります。カテーテルを直接血管に挿すため、細菌などにより感染症にかかる可能性が高くなります。
CHDF(持続血液透析濾過法)を行うときの注意点
人工透析を行う患者は、もともと重い病気を抱えていることが多いため、人工透析中は常に臨床工学技士などが患者に異常が起きていないか、安全に行われているかなどを確認する必要があります。
また、人工透析中に急変することも考えられるので、そのようなときにも対処できるように、臨床工学技士などの医療従事者は準備しておくことが大切です。