ME2種とはどんな資格?
第2種ME技術実力検定試験(ME2種)は、公益社団法人日本生体医工学会が主催している検定試験です。第1種と違う点は、医療機器を扱っているすべての医療従事者や会社などの人が受験できるという点です。医療機器の設定や管理、安全確認などを行います。
この試験は、「ME機器・システムの安全管理を中心とした医用生体工学に関する知識をもち、適切な指導のもとで、それを実際に医療に使用できる知識や技術」のための資格です。MEとして、医療機器の操作や管理だけの知識だけでなく、医学知識、または、実際に現場で使われる医療機器の構造や設備などについても勉強します。
これから臨床工学技士を目指す方や、医療従事者としてもっと医療機器の知識を身につけたいという方が取得しておきたい資格と言えるでしょう。
ME2種の試験内容は?
一般に言われるME2種試験とは正式には第2種ME技術実力検定試験といいます。受験資格は問わず、誰でも受験することが可能です。試験の日時は、毎年9月上旬の日曜日9時50分から16時30分までとなっています。試験会場は「札幌会場」「仙台会場」「東京会場」「名古屋会場」「大阪会場」「岡山会場」「福岡会場」の全国7か所にあり、地方の方も受験しやすい環境となっています。受験料は12,000円ですが、振り込み後の払い戻しはできないため注意が必要です。
試験方法は、五者択一式試験と小論文試験の二通りあり、ICUやCCU、手術室や検査室など医療の現場で実際に使用している機器やシステムに関する必要な事項について出題されます。基礎的知識に関しては、「MEの基礎となる医学的知識」「MEの基礎となる理工学的知識」「MEの基礎的知識」が問われます。また、実際的知識も出題されます。
システムの安全運用に関して基礎から、丁寧に覚えなければいけません。MEは医学的知識や理工学的知識が必須です。また、医療の現場で使用している機器やシステムの詳細を把握する必要があります。参考書籍やテキストなどはもとより、生の医療現場で必要な知識をしっかりと身に着けて、試験に挑むようにしましょう。
ME2種は就職に有利になる?
ME2種で出題される内容はは基礎的なものとなっています。ME2種自体、持っていることがプラスになるというよりは、持っていないということで、「意欲がない」などむしろマイナスに思われる可能性もあります。また、試験を受けたことが意欲の証ともなります。新卒などの場合は、経験は当然ないため、とくに資格の有無などが問われます。この道に進むと決めたならば、持っていて損はない資格といえるでしょう。
また、実際にMEとして仕事をしていても、あやふやになってくる事柄も発生するかもしれません。そうした時に過去問などを読み漁るという人も多くいます。心の中であやふやな状態にしておかず、確認することはMEとして仕事をしていくうえでも非常に重要になってくるでしょう。
資格試験に合格したという結果もそうですが、ME2種をとるために、勉強するということもまた重要であり、ME2種をとった・持っているということが良い結果を導き出すきっかけになるかもしれません。試験自体はマークシートであり、臨床工学技士としての知識があれば、そう難しいものではありません。、大切なことは単純に受かることではありません。結果を残しつつ、勉強を続けていくことなのです。できれば、Ⅰ種も目指して頑張ってみましょう。
ME2種の難易度とは
平成29年の合格率は31.7%ですので、比較的難易度は高いと考えられます。また、この試験の受験資格は特にないことから、臨床工学技士でない方も受験しているということもあります。
日本生体医工学会では、以下のような方に第2種ME技術実力検定試験の受験を勧めています。
- 医師・看護師・臨床工学技士・臨床検査技師などの医療従事者
- 会社などで医療機器における開発・製造・販売・修理などを行う者
- ME関連の大学などの学生
合格すると第2種ME技術者として認められます。また、この資格を取得すれば、臨床工学技士でなくても、第1種ME技術実力検定試験を受験することができます。
将来、臨床工学技士として働きたいという方も受験できるので、自分の知識がどこまで役に立つのか確認するために受験してみるのも良いでしょう。
ME2種の合格率はどれくらい?
第2種ME技術実力検定試験は、平成29年で第39回を迎えました。応募者数は6,823名で受験者数は6,523名。合格者数は2,069名で、合格率は31.7%でした。
受験資格がないことから、医療従事者やその他の仕事の方など、幅広い方が受験していると考えられます。その点を考えても、31.7%の合格率は低い方といえるでしょう。
約40年前に行われた第1回目の試験では、応募者数が810名だったので、医療機器に関する知識が年々医療機関だけでなく、いろいろな場所で必要とされていることが分かります。
では、試験にはどのような内容が出るのか、簡単に説明しておきます。
- 基礎的知識
- MEの基礎となる医学的知識
- MEの基礎となる理工学的知識
- MEの基礎的知識
- 実際的知識
- 原理、構造に関する知識
- 操作、運用に関する知識
- 保守、点検に関する知識
- 安全性、信頼性に関する知識
- 病院設備に関する知識
ME2種の勉強方法とは
第2種ME技術実力検定試験を受験するには、独学で勉強することが必要です。受験の参考図書として以下のような書籍が販売されているので、参考にしてください。
- MEの基礎知識と安全管理(南江堂)
- 第2種ME技術実力検定試験問題集
これらは日本生体医工学会で販売されているので、ぜひ問い合わせてみてください。
この問題集は、年度別の過去問が掲載されています。
試験勉強はまず、過去5年間の問題集をすべて解き、自分が覚えていない部分を確認しておきましょう。また、難しい言葉や数値などは覚えるのが難しいので、苦手な部分はノートに記載して、何度も覚えるようにしておくことをお勧めします。
また、日本生体医工学会だけでなく、市販でも過去問が販売されています。
- 2017第2種ME技術実力検定試験専門解説(第2種ME技術実力検定試験問題研究会)
この問題集には約5年分の過去問が記載されているので、このような本を利用してみても良いでしょう。
ME2種に講習会はある?
第2種ME技術実力検定試験の講習会は特にありません。
ただ、日本生体医工学会では、ME塾というものが開催されています。直接試験に関する勉強をするわけではありませんが、医療機関のスタッフを対象に講習会を行っています。
平成29年には、医療機器安全基礎講習会が行われました。臨床工学技士だけでなく、医療機関で働くスタッフの知識や技術を向上するとともに、より良い治療を行うことを目的としています。普段、医療機器の知識や技術がまだ足りないという方は、受講することをおすすめします。
このME塾は、東京・仙台・大阪・沖縄・札幌・福岡・名古屋など、全9か所で行われています。日本生体医工学会では、他にもいろいろな研修が行われているので、これから資格取得を目指している方は、ぜひ受講してみてはいかがでしょうか。