臨床工学技士の仕事は、医師の指示に従い生命維持管理装置の操作・点検・管理を行う、医学の知識と理工学の知識の両面において必要とされる専門的な職種です。扱う機器は主に「人工心肺装置」や「人工透析装置」などで、患者の命や健康を直接左右するほどの責任ある治療を任されている存在です。人工透析クリニックは各地で増えており、生活習慣病の蔓延から腎不全が低年齢化しているので、透析治療の機器を扱うことのできる臨床工学技士 は年々求人が増えています。人工透析以外には、体外循環装置(人口心肺)の操作を任されオペに立ち会うこともありますし、それらの機器の安全の関する点検も行わなければなりません。
臨床工学技士の給与事情が知りたい!
臨床工学技士の給与は、年齢給によって上がっていく年功賃金の傾向にある場合がよく見られます。平均的な年収を見ていくと、20代で300万円台後半から30代で400万円~500万円、40代で500万円~600万円となっており一般的なサラリーマンの年収と比較しても、ほぼ同じぐらいの水準であることがわかります。
勤務病院に夜勤があり、交代制で24時間体制の受入を行っている医療機関では深夜の手当も発生し、その分年収が高くなるので、若い年齢層の経験を積みたい臨床工学技士には人気があります。国立病院で勤務する職員の場合、公務員と同じ給与体系で、全国的にその相場も固定されています。病院の規模によっても変わってしまいますが、夜間の人工透析ができるクリニックの場合であれば、夜勤のような扱いで残業代が支給されるので、初任給の段階から年収が高めの事業所が多いです。
しかし昇給の幅は狭く、仕事の内容も一貫して透析に関わる機器の取り扱いですので、オペなどの立ち合いを希望して臨床工学技士を目指すならば勤務する病院も選ぶ必要があります。
臨床工学技士の働き方あれこれ
変則的な時間帯での勤務が多い職種であること、医療の中でも理系の要素が強いことなどから、臨床工学技士は 男性の方が多70%にもなると言われています。臨床工学技士が扱う機器は先進国での進歩が著しく海外で学ぶ機会を経て日本へ戻る医師のように、より高い専門性を身につけた、臨床工学技士は年収の面でも優遇される業界になる日が近い将来にやって来るでしょう。
そういった機械を使い複雑なオペにも対応しているような大きな病院では、平均年収も高く、夜勤や当直の手当の分給与アップを目指すことができます。男性が活躍している職場のように思われがちですが、地域に密着した人工透析クリニックが日勤のみの求人をしていることもあり、結婚・出産という女性の環境を大きく左右するような変化があっても働くことのできる施設が多くなってきています。
また給与面でも、アルバイトやパートタイムで短時間の勤務を選択しても、いわゆる一般事務の派遣社員やアルバイトの給与よりもかなり高水準の給与を確保されているので、小さい子供がいたり親の介護があったりして変則的になりがちな女性にも良い条件の求人が見られます。
臨床工学技士の 給与アップに有利な資格は?
医療系の専門学校を卒業している場合や臨床検査技師、診療放射線技師の国家資格を持っている場合は、臨床工学技士の専門課程を1年履修することで国家試験の受ける資格を得られます。
このような転職やキャリアアップを目指す場合、知識や経験があることも大きな武器となり、幅広い分野でオールマイティに活躍できる人材として重用されます。臨床工学技士の資格を取得して臨床の実務を経験しながら、高度な技術を身につけていく中で、給与アップに繋がるような専門認定資格も制定されてきました。
透析技術認定士や体外循環技術認定士などがその例で、歴史の新しい分野だけに今後も細分化された認定資格が出てくることでしょう。 医療機器メーカーでは、臨床に関わる機器の開発は発展途上であり、新しい技術の開発のためにも臨床の経験がある有資格者の求人はどの企業も急を要しているため、年収の面においても優遇されている傾向にあります。
臨床工学技士としての職場選びは、やりたい仕事内容と勤務体系、そして給与と自分の休みのバランスなど、あらゆる分野において加味するべきテーマとなる要素がたくさんあります。最近では、資格を持ちながらも埋もれている人材を輝かせるために、医療に特化した人材派遣サービスを行う企業が増えており、臨床検査技師の働き方が見直されて、活躍する場が増えていくのが理想ですね。一般的な人材派遣会社を介して働くのと同じように、正規職員と同等のボーナスはなくても、コンスタントに収入が維持できるというメリットがあるのが魅力ではないでしょうか。