医師ならびに歯科医師を除いて、唯一放射線を 患者に照射することができるのは診療放射線技師だけです。もともと放射線を使用した診療は医師が行っていたことから、専門職といえども幅広い知識と経験が求められている職種と言えます。
診療放射線技師の求人は安定して需要が増えており、大学や大学院で専門的なことを学んでから技師になる人が水準を押し上げる形で年収の面でも平均的に上昇傾向にあります。大きな総合病院では最初から高い水準の年収が提示されている所も多く、その次には少数精鋭で営む小さな個人のクリニックでも良い人材の確保は急務とされ、給与や勤務日数などの面で優遇されているケースもあります。
求人と雇用条件~地方に多い小規模・中規模の病院
・職員が100人以下小規模のクリニックや病院
救急搬送を受け入れている病院でない限り、当直・夜勤、残業などが少なく、定時や休日が定期的に設定されている病院が多いです。女性が小規模の病院で正規の職員となるといつでも産休中の人材を確保できるわけではないことから、結婚や出産をするタイミングが難しく、結果的に自分の思い描いた職業に就けても思うようなライフプランニングができないという現実もあります。女性の医師や技師が活躍しているなどの前例があり雇用に前向きな病院では、育児をしながら時短やフレックスで働き続けるということも可能になります。
・職員が100人~999人の中規模の病院
当直や夜勤のようなイレギュラーな時間帯でも勤務が可能であり、救急外来で経験を積みたい人材の求人を積極的に行っているケースが多いです。特殊な治療を行っていない診療施設においては、放射線を使った検査やそのデータの収集が主な仕事です。診療放射線技師を目指す時点で高度な治療を行っていきたい技師は、大学や大学院に在籍している段階から資格を取得し、大規模で難しいオペも行えるような病院や、得意な治療を打ち出している病院の求人を待ちながらキャリアを重ねている人もいます。地方では中規模の病院が総合病院のような役割を求められるので、診療放射線技師の仕事だけでなく、事務作業などオールマイティな能力が必要とされることが多いです。
求人と雇用条件~都心に多い大規模の病院やその他の施設
・職員が1000人を超える大手総合病院
新人だからと成長を待ってくれるような猶予はなくスタート時から激務であることから、求人の段階で年収が高く設定されています。基本的な検査から最新の放射線機器を使用した特殊な治療まで、認定資格の増えている分野であり、枝分かれの先に今後国家資格に発展するような可能性もあります。そういった治療に力を入れている大手総合病院では大卒者へ向けての求人が多く、大学や大学院にて専門性を深めて研究している実績を重視されることもありますので、大学での卒業論文や大学院での修士論文で数年間の集大成を実らせることが次のステージに繋がる可能性があるということを忘れずに学びましょう。
病院勤務を経て医療機器メーカーへ転職し、臨床経験があるからこそ実現したい機器の研究に熱を傾ける診療放射線技師のあり方もまた一つです。大手総合病院や女性の雇用に積極的な病院は、施設に隣接するような形で保育所や託児のシステムを充実させており、働く女性が増えている時代の流れに伴い、そういった職場の求人は激戦となっていることがほとんどです。
求人と雇用条件~健診施設~
健康診断を行う施設は全国に存在しているので、それに関する求人も常に一定数全国的で確認ができます。給与の面で見ていくと夜勤や当直などがないため、総合病院ほど高水準の年収は見込めませんが、安定した仕事と給与体系により長く働きやすいというメリット・デメリットがそれぞれあります。診療放射線技師の資格の中でもマンモグラフィ撮影を許可されている認定資格の取得は、職場を探す上で優遇されやすく、給与アップに繋がる今注目の分野だと言えます。
また女性特有の検査ですので、女性の診療放射線技師の求人が増えている傾向にあります。マンモグラフィ検査を行う産婦人科が増えていることから、産婦人科での求人に注目するのも新しい働き方となるでしょう。健康施設での仕事は診療放射線技師本来の役割であり、放射線の技能を検査や治療に用い、患者の疾病の早期発見・早期治療に役立てるとてもやりがいのある仕事であると言えます。
都心には高度な機器を扱うことのできる専門性の高い診療放射線技師の求人が集まりやすく、大規模な総合病院での働き方も増えています。地方にある小規模から中規模の病院では、複数の人材を雇用することが難しいために一人ひとりに求められる能力は高く、幅広い分野を補うことのできる人材はどの病院でも重用されることでしょう。診療時間や病院の規模などにより診療放射線技師の働き方は様々で、女性も活躍する場の多い専門職として確立されてきています。日々臨床経験を積みながら勉強し続けることが、最終的に患者の命や健康を左右する可能性があることを忘れてはいけません。