臨床検査技師の仕事は、病院だけでなく、検査センター・健診センターなど多くの場所で必要とされています。医療技術の発達により、検査内容もかなり細分化されました。臨床検査技師がおこなう検査も年々幅広くなってきています。しかし平均年収だけをみれば、専門性が高くなっている割には、あまり年収の変化を感じないという方もいるのではないでしょうか。では年収1000万を目指すにはどのような資格が必要なのでしょうか。考えてみましょう。
臨床検査技師の平均的な年収は?
臨床検査技師を目指している方は、将来どれくらい給与がもらえるか気になるのではないでしょうか。臨床検査技師はとても専門性の高い仕事で、医療施設ではこれからもますます必要とされる仕事です。これからは臨床検査技師の資格だけではなく、さらに専門知識も必要となっていくでしょう。
全体的に給与を見ていくと、若いうちは少ないと感じるかもしれませんが、年齢が上がるのと同時に専門的な資格をとれば、年収が増える可能性は高くなります。では具体的にどれくらいもらえるのか、年齢別平均支給額をみていきましょう。
従業員が100人以上500人未満の場合、臨床検査技師の年齢別平均支給額を紹介します。
20~24 236,888円
24~28 253,987円
28~32 269,457円
32~36 287,879円
36~40 289,540円
40~44 308,385円
44~48 346,901円
平均年齢は41.6歳で、平均月収は312.822円です。
(参照:人事院「民間給与の実態 (平成28年職種別民間給与実態調査の結果) 」)
年収1000万を目指すにはどんな資格が必要?
専門学校や大学を卒業し、国家資格に合格すれば臨床検査技師として医療施設で働くことができます。もちろん難しい資格ですが、将来年収アップを考えているのであれば、さらに専門的な資格が必要となってくるでしょう。
臨床検査技師がとっておきたい資格は「細胞検査士」や「超音波検査士」です。臨床検査技師を目指す人は年々増えているため、将来飽和状態になることも考えられます。その中でも専門知識や経験があれば、年収アップのための転職も可能となるでしょう。
「細胞検査士」は、主にがん細胞を見つけ出すために顕微鏡で検査します。子宮がん検診や肺がん検診などで採取した細胞をガラスに塗りつけて標本を作ります。検査をする段階で異常のある細胞を見つけた場合は医師に報告します。
「超音波検査士」は超音波エコーを使って、体の中の異常を検査します。近年では、乳がん検査で特に必要とされており、女性の超音波検査ができる人が求められています。
臨床検査技師はどんな人が向いている?
それでは、どのような人が臨床検査技師に向いているのでしょうか。臨床検査技師はとても細かい作業が多く、少しのミスも許されない仕事です。そのため、根気よく細かい作業ができる人が向いています。さらに集中力が常に保てるという点も重要です。単調な仕事もおおいので、そういったことにも耐えられることも必要でしょう。
また、臨床検査技師は血液や尿、採取した細胞を検査するだけではありません。生体検査といって、患者に直接向き合う検査もあります。もくもくと検査する仕事もありますが、検体検査も生体検査も両方行える方が需要はあるでしょう。
特に大きな総合病院では、臨床検査技師の仕事は細分化されていますが、いつどのような仕事をするかわかりません。また小さなクリニックの臨床検査技師であれば、柔軟にいろいろな仕事ができる人が求められています。年収アップを望むのであれば、専門的な知識はもちろん、コミュニケーション能力も必要となります。
臨床検査技師が年収1000万を目指すにはかなりの努力が必要となるでしょう。平均年収から考えたら難しいと考えるかもしれませんが、専門的な「細胞検査士」や「超音波検査士」をとれば、超音波検査技師としても専門性を身に着けることができ近づけるのは可能なのかもしれません。特に細胞検査士は経験や知識が必要となる資格です。将来転職を考えている方は、この二つの資格をとっておくといいでしょう。