診療放射線技師とは
診療放射線技師の活躍の場は主に病院やクリニックで、X線やCT、エコーや専門的になるとMRI位など、画像診断を行う医療機器を駆使して検査や健診を行います。年収の水準は他の医療系専門職と比較しても平均ラインで、20代で350万円前後、30代後半で500万円前後、40、50代で役職がつくと手当により給与もアップします。勤務病院の施設や事業所の規模により、大きくなるほど平均年収も上がる傾向にありますが、拘束時間が変則的であるなど勤務形態によるところが大きいようです。
診療放射線技師の給与事情
3年制の専門学校を卒業して診療放射線技師になるのと、4年制大学を卒業してなるのでは、初任給の時点で5000円~1万円ほどの年収に差がある医療機関が多いです。これは学歴に対してというよりは、年齢給という意味合いが強いので、この時点では大きな違いはありません。
しかし4年制大学の卒業者の方が大規模な病院に採用の窓口が開けており、ゆくゆくは技師長など管理職の役職になりやすいという意味では、最終的な生涯年収に大きな開きが出てくることは事実です。
もちろん、卒業した学校に関係なく実力重視で昇進していける医療機関も増えていますので、1年でも早く飛び込み現場で実力をつけるという考えで専門学校や養成学校を選択肢に入れるのも良いでしょう。
医療現場で実務の経験を積んでから医療機器メーカーへの転職を視野に入れている場合は、大学卒業者への求人が圧倒的に多数なので学校を選ぶ段階から熟考する必要があります。
ガン治療などの放射線治療の分野においての求人は、ほとんどが大学卒業者もしくは大学院卒業者で、大学院で医学物理士の資格を取得しておくと、治療計画のシミュレーションを立てられるなどより専門性の高い放射線治療に携わることができます。
高度な放射線医療の分野に進みたい場合は大学、大学院への進学をした方が有利ですし、就職してからの給与も年齢が高いスタートになるため、初任給の水準も高くなる傾向にあります。
社会人を経て診療放射線技師を目指す場合は、働きながら大学の入試準備をするハードルはとても高いので、専門学校を卒業して国家試験を受ける方が多いです。その場合の給与は3年制専門学校卒業者と同等の水準となり、年齢に対しての年収としては低めのスタートとなることが予想されます。
資格の有無によって差はあるの?持っていると有利な資格は?
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
女性の診療放射線技師であれば、乳がん検診で主流のマンモグラフィの分野で専門性を高めるのがおすすめです。検診を受けるのも女性ですし、国からも検診が義務付けられているので、様々な病院やクリニックで積極的な求人が見られます。
核医学専門技師
「日本核医学会」、「日本核医学技術学会」、「日本放射線技術学会」、「日本診療放射線技師会」の4つの組合からなる「日本核医学専門技師認定機構」によって、PET検査などを行うことのできる資格が認定されています。
認定試験を受けるにあたっては、核医学検査に関する診療業務の経験が3年以上必要となります。
磁気共鳴専門技術者
MRIで画像診断を行う場合は放射線を使わないので、磁気共鳴専門技術者の認定を受ける必要があります。受験資格は「日本磁気共鳴専門技術者認定機構」に属している7つの団体のどこかに2年以上在籍し、MRの学術研究発表または学術誌へ論文の投稿履歴など、数々の条件があります。
超音波検査士
MRI以外に放射線での画像診断を行わない検査方法に超音波(エコー)があります。
診療放射線技師以外にも看護師や准看護師もその資格を取得することができます。
その他にも様々な認定資格があり、医療機関や事業所によっては資格の有無が給与の向上や昇進に有利になるところもありますので、どの資格を取ることが今後のスキルアップにも年収アップにも繋がるかチェックしてみましょう。