診療放射線技師は、専門学校や大学を卒業して初めて国家試験の受験資格が得られます。毎年2月に行われる国家試験に合格すれば、初めて病院やクリニックなどに就職できます。もし、就職が決まっていてもこの国家試験に落ちてしまうと就職することは難しくなるでしょう。
また、国家試験を合格しているだけでは、他の人と同じ条件なので就職に有利だとはいえません。他の人と差別化をはかるためには学生の間に、アピールできるものを経験しておきましょう。
診療放射線技師を目指すなら専門学校・大学どちらがいいの?
これから診療放射線技師を目指す方は、専門学校・大学どちらに行こうか迷っている方もいるのではないでしょうか。専門学校は大学よりも入学しやすく、一度社会人経験がある方も多いようです。
また、大学は4年制ですが、専門学校は3年制がほとんどなので1年早く仕事に就くことができます。できるだけ早く、就職したい方は専門学校の方がいいでしょう。しかし、専門学校卒・大学卒のどちらが就職に有利なのでしょうか。もちろん専門学校卒業でも就職先は選べますが、大学卒の方が就職先の選択肢が広がります。
例えば、大学では臨床経験豊富で研究に熱心な教授が、授業を行っています。常に最新の研究結果をもとに授業を行っています。また、少人数を取り入れている大学も多く、4年制であることから、じっくりとその人に応じた教育を受けることができます。
学会や研究会などに参加することも多くなるので、学生の間に学会発表を行っておくと就職に有利になるでしょう。
大学ではどのような教育を行っている?
臨床の現場で働くことになった場合、すぐに対応できるように机上の勉強だけでなく大学病院などで臨床実習をおこないます。3年次では、実際にCT・MRI、4年次には放射線治療をおこなうなど、3年次まで学んだことを活かすために、実習や実験を通じて将来すぐに役立つ知識を学ぶことができます。
通っている大学付属の病院で実習を行うことができるので、実際患者の話を聞いたり、現場でしかわからない経験を身に着けたりすることも可能です。また、4年次の卒業研究では学会で発表することもあります。自分の行きたい医療機関や会社があった場合、こういった経験をしておくと就職に有利になります。
大学では、知識を詰め込む勉強だけでなく、いろいろなことにチャレンジする機会も与えられるので、学生のうちにいろいろな経験できるのがポイントです。また、大学の場合同じ敷地内に看護学部や診療検査技師など同じ医療分野を勉強する人ともコミュニケーションをとることができます。将来医療機関で働いたときのために自分の仕事以外の知識をつけておくことも大切です。
専門学校ではどのような教育を行っている?
専門学校は大学に比べて3年と勉強する時間が短いので、勉強がとても大変です。病院が経営している専門学校もあるので、実習をなるべく重視したい場合はそういった学校を選べばいいでしょう。また専門学校の先生も現場で活躍している医師や診療放射線技師が担当するので、新しい知識を得ることも可能です。
専門学校では国家試験対策に力を入れている学校も多く、1年次から国家試験に向けて授業をおこなっている学校もあります。専門学校の場合、夜間に授業おこなっている専門学校もあり、働きながら専門学校に通うこともできます。もともと病院で働く看護助手や医療事務などをしている方が多く、同じ目的の学生と触れ合う楽しみもあります。
専門学校であっても、学会などに参加することも可能です。学会で発表するとなると、かなりの時間をかけて準備をおこない正確なデータに基づいて資料をつくらなくてはなりません。その経験が就職試験を受けるときのいいアピール材料になることもあるでしょう。
専門学校であっても、大学であっても診療放射線技師を目指すといった目的は同じです。しかし、それぞれメリットデメリットがあるので、就職したあとどのような仕事に就きたいのか、また働きながら学びたいか、できるだけ早く働きたいので3年生の専門学校に行きたいなど、自分のスケジュールや目的に合わせて選んでいきましょう。