「不整脈治療専門臨床工学技士」は、不整脈治療の専門知識をもつ臨床工学技士が取得できる資格です。医療機器の多様化や高度化が進むなか、時代に対応し医療機器に関わる医療事故を少しでも減らすため、2009年に「ペースメーカー関連専門臨床工学技士」の名で誕生しました。現在は「不整脈治療専門臨床工学技士」と名称が変更されています。この記事では、
不整脈治療専門臨床工学技士の仕事内容や資格の取り方について紹介します。
不整脈治療専門臨床工学技士の仕事内容
不整脈治療専門臨床工学技士は、医療機器の中でもペースメーカーの知識や技術が豊富です。ペースメーカーは不整脈の治療に使われるため、資格の名称が「不整脈治療専門臨床工学技士」となっています。不整脈の手術を行う際に脈の状態をモニタリングしたり、埋め込むペースメーカーの操作を行ったりするのが主な仕事です。
不整脈治療専門臨床工学技士になるには
不整脈治療専門臨床工学技士になるためには、不整脈治療専門臨床工学技士試験に合格しなければなりません。試験を受験するためには、まず日本臨床工学技士会が主催する「不整脈治療関連指定講習会」の基礎編を受講する必要があります。
基礎編を履修したら今度は3年以内に応用編を受講します。応用編も履修すると試験の受験資格を得ることができます。ただし、受験資格があるのは応用編履修後5年間ですので、間違えないようにしましょう。
合格後、日本臨床工学技士会に認定申請を行うことで、不整脈治療専門臨床工学技士の資格を得ることができます。認定申請を行うためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 大学において医学、歯学、獣医学、薬学、保健衛生学の課程を修めて卒業した者
- 日本臨床工学技士会に5年間連続して正会員であり、会費を完納している
- 臨床工学技士としてペースメーカーに関わる実務経験が5年以上あり、現在もその業務に従事している
- 日本臨床工学学会に当該前年度からさかのぼって5年以内に1回以上参加している
- 日本臨床工学技士会の定める取得単位表において、当該前年度からさかのぼり5年以内に要件を満たす単位を50単位以上取得している
試験難易度や活躍の場は?
不整脈治療専門臨床工学技士は、ペースメーカー埋め込み手術が行われる総合病院で活躍しています。臨床工学技士としての年収は450~600万円が平均となっています。資格手当が付く場合が多いので、実際はもう少し高くなると言えるでしょう。臨床工学技士としての求人が多く、不整脈治療専門臨床工学技士単独での募集はあまり多くありません。しかし、合格率は12%前後と難易度の高い資格ですので、他の臨床工学技士との差別化を図ることができます。そのため、転職に有利に働く可能性が高くなります。
不整脈治療に関わっている臨床工学技士なら、ぜひ挑戦したい資格の一つと言えるでしょう