臨床工学技士とは、具体的にどのような仕事かということをご存知でしょうか?医療機関などで、人工透析や手術に立ち会うなど、病院にとってとても重要な仕事を担っています。臨床工学技士は、国家試験を合格しなければ働くことができません。また、国家試験の受験資格も決められた大学や専門学校で3年または4年勉強することを義務付けられています。
では、臨床工学技士の国家試験を受験した人はどの程度合格しているのか、または不合格になった場合どうなるかなど具体的に見ていきましょう。
臨床工学技士の国家試験はできるだけ一回で合格する
臨床工学技士の平成29年3月5日に行われた国家試験では以下のような結果がでました。
受験者数2947名、合格者数2413名、合格率81.9%。(参照:厚生労働省「第30回臨床工学技士国家試験の合格発表について」)
合格率は8割を超えています。なお、臨床工学技士の国家試験を受けるには、決められた大学・専門学校を修業しなければ国家試験を受けることもできません。国家試験を受ける前に、卒業後の進路が決まっている方がほとんどです。しかし、合格率8割ということは、当然ながら2割の方が不合格になるということです。ほとんどの方が卒業後臨床工学技士として働くため、気軽な気持ちで試験を受験する人も少ないでしょう。
臨床工学技士だけに限らず、医療関係の国家試験は新卒で合格する人がほとんどです。もし今年だめでも来年があるという気持ちは少し危険なのかもしれません。それは一年経ってしまうとせっかく勉強してきた知識が薄れてしまうからです。できるだけ、新卒で合格することを考えておきましょう。
不合格の場合は採用取り消しの場合も
それでは、もし大学や専門学校を卒業したけれど、臨床工学技士の国家試験に不合格になってしまうとどうなるのでしょうか。例えば、看護師であればもし国家試験に不合格になっても、看護助手として採用されるかもしれません。しかし、臨床工学技士の仕事は資格がなければ、せっかく採用された場合でも取り消しになることも多いかと思います。
今まで3年から4年もかけて、学校を卒業し就職先も決まっていたのにまた0から始めることになります。そして来年の国家試験まで、1年間勉強を続けることになります。また、もう一度専門学校に残って勉強ということになると、多額の費用がかかるので続けられないという方もいるでしょう。
そうなると、やはり独学で勉強をしなければいけません。学校に通わない状態で勉強を続けると、もしわからない点があった場合や、新しい情報を仕入れるのも難しくなるでしょう。また国家試験対策なども受けることができないので、その年に注目されている知識をチェックできないかもしれません。
臨床工学技士は大学や専門学校を卒業して始めて受験資格が与えられます。その後国家資格となる試験に合格してはじめて施設で働けます。合格率は高く8割程度ですが、これは3年もしくは4年じっくりと勉強したから合格しているのです。合格率が高いからといって簡単に合格するというものではありません。これから臨床工学技士を目指す人は、できるだけ新卒で国家試験に合格できるようにしておきましょう。