診療放射線技師は、放射線などを使いレントゲン検査や治療をおこないます。主に、「X線診断」「ラジオアイソトープ診断」「放射線治療」「放射線管理」の仕事に分かれます。
診療放射線技師は、検査をおこなうだけではなく放射線を使ったがん治療もおこなうことがあります。最初の1年目はX線検査を担当することが多く、放射線治療はだいたい診療放射線技師として4~5年ほど経ってから始めるのが一般的です。
診療放射線技師の仕事内容とは
診療放射線技師の仕事は、放射線や超音波などを使って検査や治療を行います。基本的に放射線をあつかうのは、診療放射線技師以外に、医師、歯科医師しか認められていません。診療放射線技師は医師の指示の元、それぞれの患者の検査や治療をおこないます。
なお、診療放射線技師の勤務先は、病院やクリニックの他にも医療機器メーカーなどで働いている人も多く存在します。基本的には、残業が少ない職場も多いですが、救急病院や大学病院など24時間急病を受け付けている病院は、夜勤や残業があり、一般的な臨床工学技士よりもさらに高い専門性が必要となります。
患者の検査や治療を行うので、向上心が強く周りに気配りのできる人が向いています。また、放射線は一歩間違えれば体に大きな影響を与えるので、何事にも落ち着いて行動することが大切です。
患者と関わることも多いので、コミュニケーションも必要となります。また検査以外にも、がんの治療に携わることもあります。
放射線を使う検査や、それ以外の検査もある
診療放射線技師がおこなう検査は、放射線を使う検査と放射線を使わない検査があります。放射線を使う検査には、「一般X線検査」・「CT検査」・「血管造影検査」・「PET検査」・「マンモグラフィ」などがあります。
一般X線検査は、X線照射装置とフィルムの間に体をおき、フィルムにX線を照射させます。正面像からと側面像または側臥位などいろいろな方向から撮影をおこなうことにより、一見判定しにくい体の変化を見つけることができます。
またCT検査では、X線を使って体の断面を撮影します。体の中のいろいろな病気をみつけることができます。特に脳・肺・腹部・骨などの検査に威力を発揮します。
放射線を使わない検査には、MRI検査・超音波エコー検査などがあります。MRI検査は、強力な磁石や電波をつかって体の臓器や血管を撮影する検査方法のことを指します。特に脳・消化器・腎臓・子宮など多くの場所を検査することも可能です。
超音波検査は、超音波を体の中におくり、その反射した超音波を画像にする検査です。特に、肝臓・胆道・すい臓などの検査をおこないます。
がんの治療に携わることも
診療放射線技師は、検査をおこなうだけではありません。放射線はがんに効果を発揮することもあるため、診療放射線技師は医師の指導のもと放射線治療をおこなうこともあります。放射線は正しい使い方をしなければ、体に悪い影響を与えます。もちろん腫瘍に放射線を使っても、正常組織にはできるだけ影響がないようにしなければいけません。
放射線治療はとても細かく慎重におこなう必要があるため、放射線を照射する場所や機械などを医師とともに「治療計画」を作ります。医師は、がんの診断、治療方法の決定、経過を観察するなど患者を診ることを優先させているおり、病気を全体的に診ます。一方、診療放射線技師は、機器の操作・線量分布の作成・固定具の作成・患者のセットアップなど機器に関する業務をおこなっています。
こういった特殊な技術を使えるのは、医師以外に診療放射線技師だけなので、施設などでは貴重な存在といえるでしょう。
診療放射線技師の仕事は、検査以外にも治療に関わることもあるとても重要な仕事だということがわかっていただけたでしょうか。治療をおこなうための検査や、がんなど難しい病気の治療をおこなう診療放射線技師は、これからますます必要となってくるでしょう。
また、乳がん検査やマンモグラフィなどの検査をする方も増えているので、ますます女性の診療放射線技師も重要な存在となっていくでしょう。