臨床検査とは
臨床検査技師の仕事を説明するには、まず「臨床検査」について説明する必要があります。臨床検査とは医師の診察の判断資料を作成するため、患者の怪我の状態や病気の進行状況などを検査していくことです。
代表的なもので言えば、血液検査や尿検査などがありますが、そのほかにも心電図や脳波なども測ったりします。
そんな臨床検査でエキスパートとして働いているのが臨床検査技師なのです。医師はこの臨床検査の結果と問診で病気や怪我の状態を判断していくため、医療現場では欠かせない役割を担っています。
また、病気の早期発見などにも役立つ場合もあるほどで、検査データからどのような病気の予兆があるのか、体の異変が起きているのかを判断していきます。
これらの検査結果を医師に正確に伝えることで、患者の命を救う結果に大きく貢献しているのです。
高度な検査が求められる
臨床検査は、簡単なものであれば機械や医師が行う場合もあります。しかし臨床検査技師が行う検査はより専門的で高度なものが求められています。
特に注目されているのは早期がん発見についてです。現在、がん治療は進んでいて特にがんの早期発見に関わる臨床検査技師が取得できる資格の
- 細胞検査士
- 超音波検査士
などは取得している人、取得を考えている人も多くいます。これはがんだけでなく医療の全体的な専門化が進んでいるのも影響しており、新たな専門的な検査ができるように臨床検査技師も変わってきています。
また、臨床検査技師が一般的に勤務するのは病院または検査センターですが、それ以外にも製薬会社や保健所などで働く人もいるため、幅広い医療の関わり方ができる資格だと言えます。
また、病院の場合の検査の流れとしては
- 医師から検査の依頼を各専門技師に依頼をする。
- 検体の採取(看護師が行う場合もあります)や生理検査行います。
- 照合を行います。
- 検査を行います。
- 検査結果を確認し、医師に報告します。
という5つの流れで基本的には検査を行っていますが、ここで大切なのは医師や看護師との連携となります。正しい情報が医師に誤りなく伝わっていないと、正しい診察が出来なくなってしまいます。淡々と作業を行うイメージがありますが、実はチームプレーが大切な仕事だと言えます。
検査の種類について
臨床検査技師が行うことが出来る検査については、主に以下の2つの内容となります。
①検体検査
一般的な検査で、尿や便・血液・細胞・喀痰から値に異常があるのかどうか検査を行っていきます。内容としては
- 一般検査(尿検査)
- 生化学検査(血液検査)
- 血液検査(血液検査)
- 微生物検査(尿・便・血液・喀痰検査)
- 免疫検査(血液検査)
- 輸血検査(血液検査)
- 病理検査(細胞検査)
が主になります。
②生理機能検査
検体検査は間接的な検査に対し、生理機能検査は患者の脳波や心電図を計る直接的に行う検査です。内容としては
- 心電図検査(心臓の検査)
- 呼吸機能検査(肺の検査)
- 脳波検査(脳神経などの検査)
- 超音波(エコー)検査(臓器の検査)
- 筋電図検査(神経・筋肉の検査)
などが主な検査となります。
従来まで病院は「具合が悪くなったから行く」場所でしたが、現在では「病気の予防・再発防止」の為に通う需要も多くなってきました。
その時に活躍できるのが臨床検査技師です。特に人間ドックや健康診断などの現場では必ず求められる人材で、今後需要が高くなってくると予想されていますし、年齢・体力関係なく続けていける仕事としても目指す方が多くなってきています。
医師と違い、直接的に患者の命を救うことはありませんが長期的な目で見ると、多くの方を大病から守ることができる仕事だと言えますし、医療現場では欠かせない存在です。