診療放射線技師の仕事について
診療放射線技師は治療や検査などにおいて、医師と歯科医師の他に唯一診療放射線を人体に照射することが許可されている医療専門職です。
その分野で求められる知識や技能は日々進化しており、今後も新たな治療や検査において活躍が見込まれている職種です。そのため、病院の大小に関わらず診療放射線技師は安定して需要のある立場であり、年収の面から見ても年々その相場は上昇してきている傾向にあります。
大きな病院では年収も高い水準で設定されていることが多く、その次には小さな個人のクリニックでも重用されていることから、給与に反映され優遇の制度を設けているところもあります。このことから、勤務病院の種類や勤務形態によって年収も変動するところがあり、職場を選び応募する段階での自分の望む働き方と年収のバランスは熟考すべきポイントとなります。
診療放射線技師の勤務病院種類別メリット・デメリット徹底比較
職員が10人~99人の小規模の勤務病院
年収は平均的な推移をしますが、大規模な病院に比べると50代~60代の年収の面において差が出てきます。大規模な病院の方が管理職の手当てが加算されるからです。
その反面、当直・夜勤、残業などが少なく、生活にゆとりを持った勤務形態が可能です。女性の場合は、産休や育休の制度があってもすぐに人材が確保できないこともあり、思うようなタイミングで休みを取ることが難しくなる可能性もあります。
逆に女性の雇用に理解のある勤務病院に恵まれると、勤務形態に時短やフレックス制を導入してもらいやすく、育児をしながらのキャリアアップを描くのも夢ではないでしょう。
大きな病院と違い、経営者の判断で雇用条件に融通をきかせてもらいやすいというのは、育児と仕事を両立させていく上でメリットとも言えます。
職員が100人~999人の中規模の勤務病院
年収は小規模の病院より、役職や資格の手当の面で優遇されているようです。キャリアアップを望む場合は当直や夜勤、救急などの現場にて実務を積むこともできます。
そこまで専門的な放射線機器が導入されていない施設においては、検査やそのデータの報告が主な仕事となります。さらに最前線の放射線治療などに興味のある技師は、専門性の高い認定資格を取得し、大規模な病院や特色の明確な病院への転職を視野にいれる場合もあります。
職員が1000人以上の大規模な勤務病院
勤務形態がスタート時からハードな反面、年収面では保証されている側面もあります。検査以外にも最新のがん治療や、その他の診療放射線技師に関連のある認定資格を生かせるような設備が整えられているため、有能な人材を確保するために給与に直接反映させる場合もあります。
知名度の高い病院で、専門性の高い技術を生かしたい技師や、管理職を目指す技師はこの規模の病院を志望し転職をしながらキャリアアップを描いていきます。
病院勤務の後に医療機器の製造会社へ転職していく技師もいますが、未来の医療を良くしたいという熱意においては病院に勤務している立場でもその方向性に相違は無いでしょう。大規模な病院になると、職員の子供たちのための保育園を完備している施設もあります。
そういった環境は大変人気があるので、競争の激化が想定されています。
健康診断などの健診施設は?
マンモグラフィの撮影は、乳がん検診の推奨をしていることからも、今後需要の高まるであろう診療放射線技師の仕事の一つです。特に「検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師」の取得者は、給与面でも優遇されやすい認定資格となっています。
今後はより専門性の高い診療放射線技師が必要とされる時代がやって来るでしょう。