病院のレントゲン室で働く仕事と言えば、診療放射線技師が有名です。しかし、以前は診療エックス線技師の方が多く活躍していました。なぜ、診療エックス線技師に変わって診療放射線技師が活躍するようになったのか、知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで、診療エックス線技師の仕事内容と減少した背景についてお伝えします。
診療エックス線技師について
診療エックス線技師は、病院などの医療機関でエックス線を使った撮影や治療を行う時に必要な資格です。医療技術職の一つで、国家資格となっています。医師や歯科医師の指示のもと、エックス線を人体に対して照射するのが仕事です。
診療エックス線技師から診療放射線技師へ
以前は病院のレントゲンと言えば、エックス線を使った撮影でした。ところが、撮影機器の進歩に伴い、エックス線以外の放射線も使われるようになりました。そのため、エックス線以外の放射線を取り扱える資格が必要とされ、昭和43年には診療放射線技師が誕生しています。
その後、昭和58年に診療放射線技師法の改正が行われ、診療エックス線技師の資格は廃止となり、診療放射線技師免許に一本化されました。
ただし、昭和58年時点で診療エックス線技師の免許を持っている人は、廃止前の法律に基づいて業務を行うことが認められています。そのため、現在も診療エックス線技師は少数ながら現場で活躍しているのです。
診療エックス線技師の活躍の場
現在、診療エックス線技師としての求人はほとんどありません。診療エックス線技師の資格を活かすような現場では、診療放射線技師の資格が求められています。そのため、転職を考えるのであれば、診療放射線技師の資格を取得した方がよいでしょう。
診療エックス線技師が診療放射線技師試験を受ける際には、受験表にその旨を記載していれば試験科目の免除を受けることができます。ただし、試験科目の免除を受けての診療放射線技師試験の受験資格が認められるのは東京都での試験のみとなっているので、注意が必要です。
現在活躍している診療エックス線技師は、経験豊富な人と考えるのが自然でしょう。そのため、年収については、診療放射線技師と同等と言えます。診療放射線技師の年収は平均で500万円ほどです。
ただし、エックス線のみの取り扱いとなると、どうしても仕事の幅が狭まってしまうので、これからも末永く仕事をしていくためには、診療放射線技師資格の取得は必須と言えます。
また、これから病院などの医療施設で放射線を扱う仕事をしたいと思っている人は、診療放射線技師の資格取得を目指すと良いでしょう。