「医療系の資格の中でも求人が多い臨床検査技師を目指したいけど、自分に向いているのだろうか?」と思われている方も少なくないかと思います。臨床検査技師は、国家試験に合格して、医療機器の操作を覚えれば誰にでもできる仕事なのでしょうか。今回は、現場で求められるスキルから、臨床検査技師に向いている人、向いていない人を判断するポイントを3点ご紹介します。
コミュニケーション能力があるか
診療放射線技師といえば、黙々と検査機器を操作して、データを取る職業のようなイメージもあるかもしれません。しかし、検査対象は人間なので、実はコミュニケーション能力も求められる仕事なのです。
病院に検査を受けに来る患者は、病気や検査に対して不安を抱きながら訪れます。正確な検査データ得るためには、検査室で衣服を脱いで検査着だけの状態になってもらう、アクセサリーなどをはずしてもらうなど、検査にふさわしい状態にしてもらう数々の指示をしなければなりません。
撮影が成功するように、姿勢や呼吸についての指示がしっかり患者に伝えられなければ、正確なデータを得られません。検査対象は新生児から高齢者までさまざまですが、それぞれの患者にわかりやすく指示をして、リラックスした状態で正確な検査をするためには、接遇スキルが求められるのです。
また、患者に対してだけでなく、医師や看護師など一緒に仕事をする医療スタッフともうまくコミュニケーションをとる必要があります。どのような検査が求められているのかを把握して、協力を得ながら検査し、データの受け渡しをしなければ検査の意味がなくなってしまうからです。
責任感を持って仕事と向き合えるか
診療放射線技師は、ルーティンワークとしてただ手順通りに患者を検査室に入れて医療機器を操作すればいいという仕事ではありません。より正確な診断をするためには、検査データの精度が大切になっていきます。
患者がなかなか指示に従ってくれないからと、きちんとデータが取れないような状態で撮影を行ってしまったら、誤診につながったりや病気の発見ができなかったりする可能性も生まれます。検査のやり直しが必要になれば、患者にも医療スタッフにも迷惑がかかるのです。
「自分の取ったデータが患者の生命を左右することもある」ということをしっかりと認識して、最良のデータが残るように努力しなければなりません。撮影画像などで自分の仕事が評価されていることも意識しておかなければ、信頼のおける診療放射線技師としての評価が得られないことになります。
もはや診療放射線技師だけに限った話ではありませんが、自分自身の仕事に責任を持ちながら活動しなければ、他の誰かに迷惑をかけてしまうことになります。責任感を持って仕事に望むことは、社会人として必要不可欠なものなのです。
向上心を持ち続けて勉強を怠らずにいられるか
診療放射線技師が扱う医療機器は、以前は放射線を用いたレントゲン検査が主なものというイメージがありましたが、医療技術の進歩に合わせてさまざまな医療機器が開発、導入されていきます。乳がん検診でもマンモグラフィ検査が普及し、身体の断面図が撮影できるCTや超音波による検査、放射性物質を用いるラジオアイソトープ検査や磁気を用いたMRI、がん細胞の破壊には放射線治療など、幅広い機器の操作が診療放射線技師に任されるようになってきました。
だからこそ、診療放射線技師は、今後も需要が望める仕事であるともいえるのです。「学校の勉強を終えたからもう勉強はしたくない」と思ってしまうようでは、現場で通用しない人材になってしまう可能性があります。診療放射線技師は、新しい医療機器が導入されたら自ら進んで勉強し、最新機器を扱えるようにしなければなりません。そして、「常に勉強することが自分の価値を高めることにつながる」という向上心が必要な仕事なのです。
どんなに就職に有利な資格でも、職業への適性がなければ活かしづらいものになってしまう可能性があります。資格の取りやすさや就職状況だけでなく、現場で携わることなどにも十分関心を持って、先輩の体験談などから自分が向いているかどうかを考慮して取りたい資格を検討していきましょう。
そして、向上心を持ち続けて「自分自身の価値」を高められるようにしていきましょう。