女性診療放射線技師としてキャリアをスタートさせるにあたって、特に気になるのは職場の環境でしょう。長く働きたいからこそ、結婚や妊娠、子育てというライフイベントと両立できるかどうかはとても重要です。
ただ、実際に働いてみないと職場の状況というのはわかりづらいものです。仕事をはじめてから「こんなはずでは…」と今後について不安にならないためにも、診療放射線技師がおかれている労働・職場状況をしっかり把握しておきましょう。
診療放射線技師の職場、実際どうなの?
診療放射線技師に限らず、医療関係の仕事というのはハードなイメージがあるかもしれません。医療は24時間365日行われているもの。その現場で働くという事は、やはりそれなりに大変なことも多いようです。
病院ではいつ診療放射線技師の手が必要になるかわかりませんから、オンコールや夜勤・当直勤務といった勤務も必要になる場合があります。正直なところ、子育てをしながらオンコール対応や夜勤をこなすのはなかなか難しいことです。一方で、クリニックや検診センター、企業内の医療施設の場合は突発的な対応や夜勤はほとんどありません。結婚・妊娠・出産・子育てを考えるならば、病院よりもクリニックや検診センターの方が働きやすいと言えそうです。
実際に、診療放射線技師として活躍している女性では、クリニックや検診センターでの勤務希望者が多いようです。有給取得に関しても、病院によって異なりますが一人体制の病院は休みが非常に取りづらく、クリニックや検診センターは勤務先と都合を合わせることができれば比較的取得しやすいとされています。
女性診療放射線技師の需要に関しては、近年乳がん検診やマンモグラフィ検査など女性特有の病気に関する検査のニーズが高まっていますから、需要は一定あるものといえます。しかし、診療放射線技師は全体的に過剰人員職種といわれており、診療放射線技師として働きたい人の方が実際の求人数より上まっているのが現状です。仕事を手にするのは少々難しい状況ということは理解しておきましょう。
産休・育休の取得状況
プロとして誇りをもち、可能な限り長く働き続けるには、「職場の制度にいかに頼ることができるか」も重要です。女性は妊娠・出産・子育てによって一度仕事から離れなければならない場合が多くありますから、その際のバックアップは当然確認しておきたいものでしょう。制度の中でも特に気になるのが産休・育休制度です。どの程度取得できるかによって、その後のキャリアプランも異なってきます。
医療業界は他業種に比べて産休・育休が取得しやすいと言われています。診療放射線技師も同様で、病院やクリニックで働いている女性診療放射線技師は特に、勤務先のほとんどで産休・育休の取得実績がある場合が多いです。女性診療放射線技師が長く活躍できる環境、仕事と育児を両立できる環境や制度がしっかり整っていると言えるでしょう。
また、求人数よりも求職者数の方が多いと言われている診療放射線技師ですから、産休・育休で一人足りない状況になっても比較的人を補いやすいため、産休・育休に対して理解を得られないということもあまりないでしょう。
産休・育休取得の際の悩みと注意点は?
産休・育休を取得して子育てをしつつ、その後しっかり復帰してバリバリと働きたい!資格を活かして活躍したい!という方はとても多いと思います。いざ産休・育休に入ったとして、それから心配になるのは「復職できるのかな…」ということではないでしょうか。
手に職をつけたからこそ、技術の進歩や知識を得ることは止められません。産休・育休の間に技術面や知識面、現場の環境などは様々に変化していきます。出産や子育てで肉体的、精神的に大変な時期ではありますが、復職するためにはその間にも勉強や情報交換は欠かせません。最近の技術や知識をきちんと追っていくこと、職場環境の変化については同僚などと連絡を取ることなど、できることはあります。
また、復職を目指すにあったって、子どもの預け先を探しておく必要もあります。早期から預けられる保育園に入園できるか確認することや、近くに両親、義両親がいる方はそちらへの援助の要請をしていくなど、子どもの預け先は複数確保しておく方が良いでしょう。
育休中からベビーシッターに頼み、関係性を築いておくということも一つの手です。復職してから子どもを預けだしたのでは、いろいろと勝手が違ってトラブルにもなりかねませんから、預けること、また子どもが預けられることに慣れてから復職するのがよいでしょう。母としても安心して預けられますし、仕事にきちんと集中できるはずです。
まとめ
診療放射線技師として長く活躍したい、もちろん結婚して家庭も大切にしたい、仕事と家庭の両立はどんな働く女性にとっても考えることでしょう。診療放射線技師の職場環境は、産休・育休の制度取得実績も多数あり、比較的女性が働きやすい状況といえます。プロとして長く活躍していくためにも、利用できる制度をうまく活用し、その間の勉強等は怠らずに、診療放射線技師としても、母としてもプロ意識をもって毎日を過ごせるとよいでしょう。