将来のキャリアをどのように考えていますか?診療放射線技師の資格を取得して、プロとして長く活躍したいなど、希望をもって日々勉強に励んでいることと思います。さらに、家事や子育てをしながらでも働きたいという方は多いでしょう。実際、診療放射線技師として働く女性の環境はどのようになっているのでしょうか?現状や、これからのライフイベントにおいて気を付けるべきことなどをご紹介します。
診療放射線技師の職場状況、女性が働くにはどう?
医療現場には、医師や看護師をはじめ様々な職業の方が働いており、それぞれの立場によって職場環境も様々です。男女の割合も職種によって随分と差があります。診療放射線技師の場合、男女比は約8:2。男性の割合がとても高い職種です。
ですが、女性が少ないからといって働きにくい環境かというと、そうではありません。他の医療技術職と比べると、診療放射線技師は女性が働きやすい職種だと言われています。さらに、乳がんなど女性特有の病気の検査もあるため、女性技師を募集している医療機関も多く、女性の活躍が期待されている職業とも言えます。
女性が働きやすい理由としては、家事や子育てと両立しながら働くことができる勤務形態が整っているということがあります。定時に出社し定時に退勤できる医療機関が多く、正社員にこだわる必要がなければ、子育て中は契約社員やパートタイマーとして、午前中や午後の数時間といった働き方が可能な場合もあります。また、体力面でも立ちっぱなしということはありませんし、主婦業と両立可能な範囲で勤務することができます。
しかしながら、もちろん夜勤が必要な勤務先もありますし、診療放射線技師の人数が少ないがゆえに仕事が多忙なところもあります。残業がなく決まった時間で仕事ができることを最優先とするならば、健診センターやクリニックがおすすめです。こちらは業務時間が決まっているので、残業が発生するとしても長時間ということはほとんどありません。
産休・育休からの復帰状況
女性にとって比較的働きやすいとされる診療放射線技師。実際、産休・育休を取得し、その後復帰されている女性技師も多くいらっしゃいます。復帰状況は、正直勤務先によって様々です。女性が働きやすい環境を整えている医療機関や、人員配置の観点で問題のない勤務先であれば、復帰の前例が多数あるでしょうから、スムーズに職場復帰ができるでしょう。
一方で、一人職場の場合や産休・育休明けの復帰の前例がない医療機関の場合は、復帰が難しい場合もあります。勤務先の制度などによって大きく左右されますが、産休・育休から復帰するとしても、休業前のようにバリバリと働くのはなかなか難しいことです。子どもの預け先の都合などで就業時間が限られてしまうなどあれば、なおさら以前のように働きだすことは難しいでしょう。
しかし、だからといって復帰できないわけではありません。先ほどもご紹介しましたが、契約社員やパートタイマー、派遣職員として就業することが可能な医療機関も数多くあります。診療放射線技師という貴重な資格を持っているからこそ、どのような雇用形態であっても活躍の場は存在しています。
また、勤務先によっては保育施設を併設しているところもあり、24時間体制で子どもを預かってくれる施設もあります。他にも、子育て中の職員に対しては時短勤務を認めている医療機関もありますので、就業先を見据えるうえではしっかりと確認しておきたいところです。
もしも、スムーズに復帰ができずにやむを得ず再就職となってしまった場合、より働きやすい環境を探すことはできますが、勤続年数や経験による制限、年齢制限などを設けている医療機関もありますから、その点だけは注意しましょう。再就職先については、女性特有の検診へのニーズが高まっている昨今、女性技師の募集は増加傾向にあるようです。
産休・育休から復帰するときの悩みや気をつけるべきこと
産休・育休から無事復帰となる場合でも、様々な悩みや気を付けるべきことがあります。
一つ目に、子どもの預け先やいざという時の頼り先についてです。預け先を探すことも大変ではありますが、急な事態に対応できる体制を整えておけるかがカギとなります。実際、復帰直後はブランクのせいで仕事も以前同様にとはいきませんし、はじめて子どもを預けて働くのであれば精神的にも負荷がかかります。
ほとんどの保育施設では体調不良の子どもは預かってもらえないので仕事中にお迎えが必要な場合もでてきます。その時に、夫や実家、義実家に頼れるのかどうか確認しておく必要があります。また、シッターさんを利用するなど、様々な事態を想定して予め準備しておくことも大切です。
二つ目として、ブランクへの悩みがあります。産休・育休は、キャリアから言えば空白期間です。休業している間、現場から離れてしまうわけですから、医療技術や知識の変化や進歩から遅れをとってしまいかねません。また、職場の状況も日々変わっていくため、復帰後に「勝手がわからない」となってしまうことも多くるでしょう。
出産・育児と大変忙しい時期ではありますが、職場復帰を希望するならば、技術や知識について勉強しておく必要がありますし、職場の状況を知るために定期的に現場の人とのコミュニケーションを図るなど努力が求められます。資格が必要な貴重な仕事だからこそ、日々の勉強を欠かすことはできません。
まとめ
男性が多いものの、女性にとって比較的働きやすい環境である診療放射線技師の仕事。産休・育休制度など、女性の活躍を支援する仕組みが整っている勤務先が多いのも安心できるポイントです。
一方で、産休・育休後にスムーズに職場復帰をするには、個々人の努力も必要です。ブランクとなってしまう休業期間中にどれだけ技術や知識面を埋められるか、子育てとの両立の仕組みをどれだけ整えられるかで、復帰のしやすさは変わってきます。せっかく目指すプロの仕事。長く働ける選択ができるよう、今から将来のことも考えておきましょう。