臨床検査技師になるべく、資格取得に向けて日々邁進されていることと思います。プロとして活躍したいと思うと同時に、女性として家庭をもって、家事や子育てとも両立したいと考えている方は多いのではないでしょうか。実際、どの程度両立できるものなのか、現場の実情が気になるところでしょう。
今回は、女性臨床検査技師の働く現場と、産休・育休などの制度についてご紹介したいと思います。
臨床検査技師の職場状況、女性にとってはどう?
資格取得を目指して頑張ってはいるものの、実際臨床検査技師として働くとなると職場環境がとても気になるものです。医療現場といえばまだ少し男性社会的イメージがありますが、臨床検査技師の場合は多くの女性技師が活躍しており、男女の割合は3:7とされています。医療現場の中でも、女性が活躍している職種といえますね。
仕事の内容として、患者さんに衣服を脱いでもらったり、体に触れることがありますし、女性特有の検査項目等もありますから、女性の方が安心できるという患者さんのニーズに応える形態になっているようです。
臨床検査技師は女性が多く活躍している職種ですから、その分制度面でも女性の活躍を支援する制度が整備されている職場が多いようです。産休・育休の制度をはじめ、家事や子育てと仕事を両立できるよう、比較的環境が整えられています。実際に、産休・育休を取得してその後復帰している女性臨床検査技師は多いようです。
就業に関しては、病院やクリニックでは残業は比較的少ない職種といわれています。一方で、検査センターは月30時間くらいの残業が平均のようです。ただ、医療現場ゆえに夜勤が発生することは少なくありません。子育てをしながら夜勤もということはなかなか難しいですから、夜勤が常時発生する現場では仕事と家庭の両立は少々難しいでしょう。
しかしながら、子どもを預けられる保育所や託児所を併設している施設もありますから、ここはどのような制度を利用できるのか、就業希望先についてしっかりと把握しておくことで大きな差がでてきます。
産休・育休からの復帰状況が知りたい!
先ほど少しご説明した通り、医療施設によって異なりはするものの、臨床検査技師の産休・育休制度は比較的整っているといえます。女性が多く活躍していますから、長く活躍してほしい施設側としては、女性のライフイベントへの対応は必要不可欠です。
また、産休は母体保護法という法律によって取得できることが義務付けられていますから、制度が整っていない施設であっても、申し出れば理論上は取得可能となっています。取得できる期間としては、一般的に予定日の6週前から産後8週の計14週ですが、これより長い期間取得できる施設もあります。
育休については、産後9週目から子どもが1歳になるまでが一般的ですが、こちらは勤務先といつ復帰するのかの調整が必要です。産休・育休を全期間で取得できた場合、一年以上職場から離れることになります。
気になる産休・育休からの復帰状況ですが、休暇を取得した多くの女性臨床検査技師がその後現場復帰を果たしています。一方で、医療施設によっては、人員不足や配置の都合などで産休・育休の取得が難しい状況であったり、土日の勤務や夜勤への対応が難しいため復帰がなかなかしづらいという場合もあります。
その場合、休業前は正社員だったものの、復帰は主婦業と並行して契約社員やパートタイマーとしてというケースが多々あります。もちろん、家族に子どもを預けられる、夜間も子どもを預けられる施設が利用できるなど条件が合えば、正社員として復帰の可能性も高くなってきます。
産休・育休取得からの復帰、不安や悩みも
産休・育休を取得できても、その後の復帰については不安や悩みを抱える人は多いようです。実際に復帰できるかどうかは、各々の家庭の状況によって違ってきます。何より、復帰するためには家族など周囲の協力が必要不可欠です。臨床検査技師は医療現場で働くプロですから、手が離せない状況になったり、連絡が着きづらい場合も多くあります。
そんな時、夫や両親、義両親がサポートしてくれるかは大変重要です。たとえ保育園などに子どもを預けることができても、子どもが熱を出したり、体調を崩しこともあります。体調不良の子どもは園で預かってはもらえませんから、急遽迎えが必要になる場合もあります。家族のサポートが難しい場合はベビーシッターに頼むなど、様々な方法で支援が得られる状況をつくっておくことは必要です。
復帰に向けて準備しておくことはたくさんあります。前述の、子どもの預け先やサポート体制はもちろんのこと、休業中の医療現場の変化や情報のアップグレードもしっかりと行っておく必要があります。
産休・育休を丸々取得すると、1年以上の休業となります。その間にも技術や考え方等医療はどんどんと進化していきます。出産・育児といえども、キャリアとしてはブランクになってしまうわけですから、その間の勉強は怠らないようにしましょう。現場の様子がわかりづらい場合は、定期的に同僚などと連絡を取り合うことがおすすめです。
万が一、産休・育休から同施設への復帰が難しくなった場合は、転職活動をすることになりますが、施設によっては年齢制限を設けているところもあります。未経験や実務年数が少ない場合は30歳未満等、若手のみの募集もありますから、自身の年齢と募集状況を見極めていく必要もあるでしょう。実務年数が長く経験豊富であれば、45歳までなど年齢制限はある程度ゆるくなっているようです。
まとめ
臨床検査技師は、男性よりも女性の割合が多く、女性にとって活躍できる場だといえます。産休・育休など家庭と両立できる支援制度が整っている医療現場が多く、実際休業をしてから復帰される方も少なくありません。
一方で、仕事復帰には家族や保育施設、シッターなど周りの支援が必要不可欠です。さらに、休業中も医療現場の変化に追いつくべく勉強が必要です。憧れの資格を取得し、臨床検査技師として働きだしてからが本番。プライベートでも充実した人生を送ることができるよう、情報収集や予めの準備をしっかり進めておきましょう。