とても身近な病気としてよく知られているのが糖尿病です。2016年の調査では、糖尿病患者数が初めて1000万人を超えました。このように、近年急増している糖尿病ですが、治療で最も大切なことは自己管理です。
「日本糖尿病療養指導士」は、糖尿病の患者さんに自己管理の指導を行うのが仕事です。この記事では、日本糖尿病療養指導士の仕事内容や活躍の場などを紹介します。
日本糖尿病療養指導士の仕事内容
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)は、糖尿病の患者さん1人ひとりの生活に合わせた、適切な自己管理が行えるよう援助を行うための資格です。具体的には、以下のような仕事を行います。
- 糖尿病はどんな病気なのかをわかりやすく説明する
- 運動や食事、服薬の仕方について指導する
- インスリン注射の打ち方を指導する
- 血糖値を自分で測定する方法について指導する
- 低血糖を起こした場合などの対応について相談に応じる
また、糖尿病に関する勉強会の開催や、糖尿病の患者会のサポートなども日本糖尿病療養指導士の仕事の一つです。
日本糖尿病療養指導士になるには
日本糖尿病療養指導士になるためには、日本糖尿病療養指導士試験に合格しなくてはいけません。試験を受験するには、日本糖尿病療法士認定機構の受験者用講習を受講し、単位と修了賞を取得する必要があります。
この講習会を受講することができるのは、看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士のうち、下記の条件を満たす者です。
- 日本糖尿病学会専門医もしくは常勤学会員医師が受験者を指導している医療施設で継続2年以上糖尿病療養指導の経験がある
- 上記の期間に携わった糖尿病療養指導の自験例が10例ある
日本糖尿病療養指導士は更新制の資格です。更新期間は5年ですので、忘れずに更新の申請をしましょう。
日本糖尿病療養指導士の活躍の場
日本糖尿病指導士は、糖尿病の外来診療を行っている病院で活躍していることが多いでしょう。求人も日本糖尿病学会専門医がいる糖尿病外来のある病院がほとんどです。日本糖尿病療養指導士は給料にはほとんど影響しない資格なので、年収は既に保持している国家資格の給与と同等程度と言えるでしょう。
日本糖尿病療養指導士の資格を持っている人の多くは看護師で、次いで管理栄養士となっています。理学療法士ではまだ資格保持者が少ないものの、運動療法が得意分野である理学療法士が糖尿病の専門知識を持つことは、他の理学療法士との差別化に繋がります。転職にも有利に働く可能性が高いでしょう。
糖尿病外来のある病院に勤めているのであれば、ぜひ資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。