前回に続いて、現役で臨床検査技師として働いている方に、「1日の仕事の流れ」と「今後のキャリアビジョン」について詳しくお伺いしていきたいと思います。
■臨床検査技師の仕事の1日のタイムスケジュールを教えてください。
現在は、生理検査を担当しています。まず、朝出勤をしたら検査をする機械を立ち上げます。採血は当番制になっているので、その日の担当になっている臨床検査技師が採血をします。私は、基本的に採血は担当していないのですが、人が足りなくなったり、呼ばれたりしたら採血に行くこともあります。
実は、採血はあまり得意ではないので、いつもとてもプレッシャーに感じています。ときどき血管が見えにくい患者の採血を行うことがあるのですが、とても緊張します。血管が細い患者は、今までなかなか採血が上手くいっていない経験があるからか、注射嫌いになっていることが多いです。そのため、そういう方に対しては、とてもプレッシャーを感じることがあります。でも、できれば患者が安心して採血ができるようになりたいと思っています。
採血をしたら、機械にかけるまえに遠心分離が必要な項目は遠心機にかけます。血液検査をする機械はいくつかあるのですが、検査の項目ごとに担当者がいます。検査自体は、機械に血液をセットし、検査が終わったら機械につながっているパソコンのデータを確認します。検査結果の数値を見て、基準値内になっているかを確認し、電子カルテにデータを送ります。
もし、異常な数値が見つかれば、医師に連絡します。医師に詳しく説明できるようになるためにも、普段からデータを読めるように勉強しておくことが大切です。
あと、救急病院なのでオンコールがあります。私の場合は、少し家から病院まで遠いので、その日は寮に泊まって呼び出されるまで待機しています。
■現在の病院で働く上でやりがいに感じているポイントを教えてください。
まだ働きだして数か月なので、やりがいを感じるまでには到達していません。今は、目の前の仕事をこなすことで必死です。先輩や上司に教えてもらいながら、毎日たくさんのことを学んでいます。ただ、苦労を感じることはあまりありません。
やはり、仕事が好きなので、興味があればどんなことでも乗り越えていけると思います。また、今の職場は人間関係も良く、周りの環境もとても恵まれているので、それが、仕事が大変だとは感じない理由なのだと思います。
■今後のキャリアビジョンを教えてください。
今の職場は、まだ1か月くらいですが、とりあえず半年後にはひと通り仕事ができるようになりたいです。そして、来年の春には日本超音波検査学会に入ろうと思っています。超音波検査士の資格を取るには、3年以上日本超音波検査学会に在籍しないといけないんです。3年経ったら超音波検査士の試験を受けて、5年後には超音波エコーのスペシャリストになりたいと思っています。
■現場の後輩への考えについて教えてください。
もし、後輩が入ってきたら、私ができる範囲で教えてあげたいです。私も、今まで先輩や上司にとても丁寧に仕事を教えてもらいました。そのおかげで今の私がいると思っています。できたら、今の私のように働きやすい環境で働いてもらいたいと思います。
でも、私より優秀な人がどんどん入ってくるので、私も負けてられないという気持ちもあります。その上、なかなか辞める人がいないので、新しい人もあまり入ってこないみたいです。近いうちに一人だけ入ってこられるので、とても楽しみにしています。
ありがとうございました。
次回の最終回は、臨床検査技師が求められていることについて詳しくお伺いしていきます。