第2回目となる今回は、臨床検査技師として働く中での「仕事のやりがい」や「病理や生理の現場」について、詳しくお話を聞いていきます。
■臨床検査技師の具体的なやりがいを教えてください。
私がこの仕事でやりがいを感じるのは、毎日現場で働いていく中で、自分がだんだん成長していると実感したときです。大学でたくさんのことを勉強しましたが、現場で必要となる知識とはかなり違うと感じました。学校で学んだことがそのまま活かせるという訳ではなくて、現場に出てみると「やっぱり経験って大切だなぁ」と思うことがよくあります。
例えば、毎日検査をしていると、いろいろな検査データをチェックします。このデータはこういう病気の可能性があるとか、この数値はかなり異常な数値であるなど、その他にも細かいことがいろいろ分かるようになりました。やはり、机上だけの知識だけではなかなか仕事に活かすことができません。
また、人の命を預かっているという意識を常に持っているので、かなりプレッシャーを感じています。ときどきしんどいなぁと思うこともありますが、周りの人がとても勉強熱心なので、私も負けてられないという気持ちがとても強いです。私は、いつも周りの人に支えられているので、気持ちが折れることがなく仕事を続けていけるのだと思います。
■病理と生理のやりがいの違いについて教えてください。
私は、病理検査や生理検査のどちらもとてもやりがいを感じています。病理検査は、提出された検体(組織や細胞)を処理して、標本の作製をするだけでなく、顕微鏡を使って、細胞を観察するときはとても緊張します。ちょっとした異常や変化を見つけることが臨床検査技師の一番大切な仕事だと思っているからです。
一方、生理検査は直接患者と接して検査を行うので、とても緊張します。例えば、検査が苦手だと感じている患者がいた場合、そのような方にも不安を感じさせないようにするにはどのように対応していけばいいのか、またできるだけ早くスムーズに検査を行っていくにはどうすればいいのかなどを、常に考えながら進めています。
どちらも違ったやりがいがありますが、結果的にはどちらも患者の健康につながっているので、それぞれの良さがを感じています。病理検査だけ、もしくは生理検査だけを行っていると、それぞれの良さは分からなかったかもしれません。
■病理の現場から離れて思うことについて教えてください。
生理検査は、それほど経験がないので分かりませんが、病理が私にはとても合っていると感じています。今は生理を担当しているのですが、あらためて病理の良さに気が付きました。最初の頃は、細胞診などをしても全然分からなくて、嫌になることもありました。このまま本当に続けていけるのか、いつか本当に理解できるようになるのか不安を感じたこともあります。大学であれだけ勉強したのに、それでもわからない検査があったからです。
それでも、周りの先輩や上司が丁寧に教えてくれたので、辛いときも耐えていけたのだと思います。今までいろいろなことに悩みながら、勉強や経験を積んできましたが、ここまで頑張って続けることができているのは、根気よく私に仕事を教えてくれた上司のおかげだと思います。今までいろいろな職場で働いてきて、特にそう感じています。
どれだけ最先端の医療機器があっても、学ぶチャンスがなかったり、周りの人の協力がなかったりすると、仕事に活かしていくことができません。もちろん、自分自身も常に勉強をしていくことは大切です。そのバランスがとても大切だと思います。
ありがとうございました。
次回は、臨床検査技師の「1日の仕事の流れ」と今後の「キャリアビジョン」についてお話を聞いていきます。