今回は、現役で活躍されている臨床検査技師の方に、「仕事をはじめたきっかけ」や「クリニックに転職して感じたこと」などについて、詳しく聞いてみたいと思います。
◼プロフィールを教えていただけますでしょうか?
現在は、クリニックで非常勤として働いています。過去に総合病院で18年間働いた経験があります。総合病院を退職したあと、クリニックに転職しました。クリニックでは、超音波検査を専門にしています。
◼臨床検査技師の仕事を始めたきっかけと背景を教えてください。
ちょうど私が高校生の頃は、バブルの絶頂期でした。友人達とも「ずっとこのままの状態は続かないだろう…」と度々話していたので、もしものために、何か手に職をつけたいと思ったのがきっかけです。
そんな時に高校の同級生が「臨床検査技師という仕事があるよ」と教えてくれたんです。そしてそのまま臨床検査技師の学校に進みました。
◼総合病院の臨床検査技師の仕事内容を教えてください。
若いときは、総合病院でいろんな部署をローテーションで回りました。
期間はまちまちでしたが、検体検査を中心に、細菌検査、病理検査と担当しました。30歳手前で生理検査室に配属され、それからずっと生理検査を中心に業務を行っていました。
総合病院では、昼間の業務以外に当直もありました。当直では、時間外の検体採血を医師、また看護師が行い、緊急検査室にて検査技師が検査を行っていました。
◼臨床検査技師の総合病院での実際の働き方(チームワーク)を教えてください。
日勤帯では基本的にいつもチームで仕事をしてます。検査技師がエコー画像と所見を読影医に送り、診断をつける訳ですが、たまに自分しかいなくなってしまった時、エコー所見について困ることがありました。
そのような時でも、後で所見について上司に相談したり、カンファレンスにて他の検査結果も含め意見を聞くことができたので、一人で抱え込んだり、追い詰められたりしたことはありませんでした。
当直中に困ったことやトラブルが起きたということはあまりありませんでした。当直体制もきちんとできていましたし、バックアップ体制も整っていたので心配はありませんでした。
◼クリニックに転職して感じたことを教えてください。
クリニックの業務は、総合病院の業務とは違い、検査技師が幅広く業務を行っていることに驚きました。
患者も他の病院からの紹介で来るのではなく、突然クリニックに来るという方ばかりなので、医師からのあらゆる依頼に対応しなければいけないこともあり、様々な経験が積めると思います。
クリニックにおけるエコー業務では、検査技師同士で話し合いながら仕事ができました。身近にすぐに相談できる環境でないのであれば、一層医師や看護師、他のコメディカルとの連携が大切だと思います。
◼臨床検査技師としてクリニックでの実際の働き方(特に刺激を受けた部分)を教えてください。
クリニックでは、臨床の先生との距離も近いですし、エコー所見が評価され一層信頼してもらえるようになる中で仕事の充実感を得るようになりました。
それと、一番新鮮だったのが先生だけでなく患者との距離もとても近いことです。総合病院では広域から患者が集まってきたのですが、私の場合、住んでいる場所もクリニックに近かったので物理的にも患者と近い関係になることが多く、文字通り地域医療を実感しました。
ありがとうございました。
次回は、臨床検査技師の仕事のやりがいや超音波検査士の資格について伺っていきます。