今回は、診療放射線技師として本質的に求められる性格やスキル、そしてキャリアなどについてお伺いしていきます。
◼めまぐるしく変化がある医療の世界では、日々の勉強も非常に重要だと思いますが、日頃、意識して勉強をされていますか?
意識して勉強するようにしています。週末には外部の勉強会に参加したりしますし、自施設内でも勉強会を毎月1回必ず企画するようにしています。日常の業務の中でも、自分が携わった検査などに対して答え合わせという意味で読影や検査結果を参照するようにしています。
◼どういった勉強をされていますか?内容・時間 etc
私は今年、CTの認定技師の免許を取りました。ただ、それに向けて特別に勉強をした、ということは実はないんです。「毎日座学で1時間暗記する」というような勉強の仕方はしていません。日常業務に向上心をもって取り組めば、自然と学んでいけると考えています。
◼ご自身を含め、診療放射線技師で活躍されている方はどういうスキルを持った方が強いですか?
やはり、まずはコミュニケーションスキルでしょうね。そして、与えられた課題や仕事を、突き詰めて考え抜くというスキルを持つことが重要だとも思っています。私の場合、CTという課題を与えられたので、とりあえずその認定を取るまで5年ほど頑張ってきました。やりたいことを突き詰めることも大事ですが、与えられた課題をきっかけとして、自分なりに掘り下げていくことが大切だと思います。そういったことを意識していけば、日常業務で多くのことを学べるような地盤ができてきます。日々自分が行ってきた作業の答え合わせを怠らないことは重要です。それをしないと、進歩がありませんから。
◼これから活躍する為にはどういった事ができる必要がありますか?またどういった事を勉強する必要があると思われますか?
与えられた課題や、医師の言葉などからいろいろなことを読み取り、プラスアルファの仕事ができる、しようという姿勢を持つことが重要だと思います。接遇の時でも、受診者の満足度を高めるためにも、たとえばたくさん話を聞いてあげるだとか、親身な姿勢をもつことが大切ですね。
◼逆になかなか活躍できない人はどういうタイプの人が多いですか?
与えられた仕事を、ただそれだけのこと、と割り切って考えてしまう人は伸びないと思います。どんな仕事でも、ただこなしているだけの人は伸びませんよね。
◼性格的にはどういった方が合うと思われますか?逆に合わないと思いますか?
放射線技師は、医療的な判断の決定権を持っているわけではなく、他の医療関係者と連携する必要があるため、過度に内向的な方は向いていないかもしれません。
◼ご自身の今後のキャリアプランはありますか?もしあれば教えていただけますか?
現在、私は大腸CTに関する関東甲信越と全国の二つの研究会の世話人をやっていますが、そういった場で得られた知見を院内だけでなく地域にも還元していかないといけないと感じます。同時に、地域医療などにも貢献できればいいと思っています。
現役の診療放射線技師の方に、実地に即した様々な経験談などをお伺いしてきました。診療放射線技師をこれから目指そうとする方は、是非ともご参考にされてください。
「東京メディカルクリニック」勤務
クリニックの放射線技師長として20名弱の放射線技師を取りまとめている。
東京メディカルクリニック
http://www.moegi.or.jp/
■診療放射線技師とその魅力
第1回 放射線技師としての腕の見せ所はここ!
第2回 意外なところから出てきます。コミュニケーション能力の差とは。
第3回 最高の達成感を味わう瞬間はいつ?苦労があるから「やりがい」が見えてくる。
第4回 放射線技師としてスキルアップをするための近道とは。これから求められるスキルについて。