本インタビューシリーズ最終回となる今回ですが、臨床工学技士にこれから求められること、学んでいくべきことなどを中心にお話を伺っていきたいと思います。
■めまぐるしく変化がある医療の世界では、日々の勉強も非常に重要だと思いますが、日頃、意識して勉強をされていますか?
日々勉強はしている方だと思います。去年も、透析技能検定というものがあり、その受験に向けて勉強していました。また血液浄化専門臨床工学技士の資格も取りたいと思っていましたので、そのための勉強もしていました。なかなか難しくて受からないのですが。この試験は、日本ではトータルで260人ぐらいしか持っていない資格のため、極めて難しいです。
先日も、金曜から日曜にかけて、横浜で透析医学会があったのですが、そういったところに参加して、自分の業務にかかわる情報を集めたり、日々のローカルセミナーなどに参加したりします。仕事が終わってから勉強するという体制を作っておくことは重要だと思います。
■どういった勉強をされていますか?内容・時間etc
特別時間などは決めていませんが、試験がある時には、朝3時ぐらいに起きて勉強する事もありました。また職場での勉強会もありますので、そういったもの参加します。以前のクリニックにいたときは、毎週のように業者さんが来て、スライドを見せてくれました。昼休みの1時間中の20~30分を利用した講習なのですが、これが非常に勉強になりますね。
■ご自身を含め、臨床工学技士で活躍されている方はどういうスキルを持った方が強いですか?
前述の通り、コミュニケーションスキルというのは重要な要素ですが、それは多くの仕事に汎用的にいえるとして、臨床工学技士特有のスキルという意味ですと、「機械いじりが好き」という素質が挙げられると思います。そういった方は、頭の回転も速く、業務的にもフィットすると思います。
■これから活躍する為にはどういった事ができる必要がありますか?またどういった事を勉強する必要があると思われますか?
まず、仕事の中でどういったことを志すか、ということを明確にすることです。例えば、透析のプロになりたいのか、それとも心カテか、はたまた心肺のプロなのか、ということです。まずその目標が明確にならないと、勉強する範囲や方針が決まってきません。「いろいろやってみたい」という人は、もちろんそれに向けて広範囲に勉強しなければなりません。
■逆になかなか活躍できない人はどういうタイプの人が多いですか?
性格的に、「一つのことを突き詰めるのが苦手」、「他者とのコミュニケーションが苦手」という人は、実際の現場での活躍はなかなか難しいかもしれません。
生活や環境の変化によって活躍しづらくなった、というケースもあります。最も多いのは、女性で、出産を経てから再雇用をされるケースです。特に子供が小さい頃は、職場も正規雇用として受け入れづらいということもあるのが事実です。ただ、施設によっては、そういった状況でもその他の職員で助け合うという環境も作られているようです。そのような職場を探していくことも手でしょうね。
■性格的にはどういった方が合うと思われますか?逆に合わないと思いますか?
先の質問とかぶる回答になりますが、コミュニケーションが苦手な人や、チームワークが苦手な人というのは向いていないかもしれません。性格的に、一人で仕事をしたいという方でも、医療現場には様々な業務がありますので、向いている別の業務を見つけたほうがいいかもしれませんね。
■ご自身の今後のキャリアプランはありますか?もしあれば教えていただけますか?
以前、2件の透析センターの立ち上げを経験しました。その時のやりがいは別格で、今後もしチャンスがあればやってみたいと思っています。
長いインタビューにお付き合いいただき、ありがとうございました。