前回は診療放射線技師という仕事の特性や向いている性格などに関してお伺いしましたが、今回は、診療放射線技師の実際の勤務内容などをお伺いしていきます。
■日々の勤務時間・勤務・業務内容などを教えていただけますでしょうか?
勤務時間は、朝の8時から17時半までのものと、8時半から18時までの2種類があります。それぞれを早番・遅番としており、シフト制で回しています。業務内容は、MRI・CT・透視・レントゲン・マンモグラフィなどです。それぞれの撮影、提供画像の確認などや、患者への接遇なども業務に含まれます。
■年間を通じて忙しい時期や比較的落ち着いている時期など、年間のイメージ教えていただけますでしょうか?
年末年始とお盆の時期は比較的患者が少ないですが、それ以外はほとんど差がありません。当院には「診療」、「健診人間ドッグ」、「画像センター」という3つ業態があります。画像センターは、他の医療機関から検査依頼を頂いて、実際に検査をする部門です。他の医療機関が休みに入ると、このオーダー自体が減少しますので、そういった意味で年末年始とお盆の時期は比較的暇になります。
健診人間ドッグの部門は企業さんとの兼ね合いがあり、年によって忙しさは異なってきますので、何とも言えないですね。
■現在はどのような勤務先になりますか?(地域・種別・規模etc) 勤務先による違いとかは大きいですか?現在勤務されている中で良い点・改善点などありますか?
現在勤めている「東京メディカルクリニック」は、今年で開業6年目になるクリニックで、JR板橋駅から徒歩10分ぐらいの所にあります。年間を通して国民健診などを行っており、地域に根差した近隣の患者が多くいらっしゃるというのが強みです。
場所的にも、交通の便が良く、人間ドックに来る方が増えてきています。メディアやプロモーションの効果もあるのですが、日本であれば、北海道、沖縄から、最近では海外の方もいらっしゃるようになってきています。
前述の通り、「健診」、「人間ドック」、「画像センター」の業務をメインとしているため、放射線技師の業務もその3部門でそれぞれ異なっていきます。人間ドックの決められた撮影をしっかりとこなすという部門と、外来などでオーダーが来る、緊急性があるかもしれない患者への検査を並行して行っているという状況です。
「人間ドッグ」のみだと思って入職された放射線技師さんには苦労している方もいらっしゃいますが、私としては、その緊急の状況に対してどのように対処していくかを考え、行動に移していくことに遣り甲斐を感じていたりします。
■休日はどうされていますか?
私は自転車が好きなので、街中のサイクリングなどでリフレッシュしています。
関連した学会や外部の勉強会に参加したり、他の施設の放射線技師さんなどとコミュニケーションを取ったりという機会を意識的に取っています。私は技師長という肩書なので、他のクリニックでどのように検査や撮影が行われているか、ということも知っておく必要もあるし、単純に興味もあります。研究会や外部での講演会などで知り合った方と、これからも関係を続けていきたいと思ってもいますね。
■職場の仲間や同業につかれている方々との交流はありますか?
当院でも行事は結構多く、夏は祭りで神輿が玄関口に入ってきたり、もちろん忘年会、新年会などもあります。職員は100人規模ですので、顔を知っていても話したことがない同僚などもいるわけです。ですので、そういう場でコミュニケーションする機会をつくってもらっていると思っています。
自分の業務がどういう人に引き継がれていくのか、ということを知れる場にもなるので、とてもいい行事ですね。
外部の医療機関の方との繋がりも多いですし、重要だとも思っています。大きな施設さんの内部事情や仕組みなどを知ることで、自分自身が奮い立つきっかけにもなるんです。モチベーションを保つためにも、外部との交流は重要だと思っています。
診療放射線技師にとって、コミュニケーションスキルがいかに重要かということがお分かりいただけたかと思います。次回は、診療放射線技師としての遣り甲斐や、苦労する点をお伺いしていきます。
「東京メディカルクリニック」勤務
クリニックの放射線技師長として20名弱の放射線技師を取りまとめている。
東京メディカルクリニック
http://www.moegi.or.jp/
■診療放射線技師とその魅力
第1回 放射線技師としての腕の見せ所はここ!
第2回 意外なところから出てきます。コミュニケーション能力の差とは。
第3回 最高の達成感を味わう瞬間はいつ?苦労があるから「やりがい」が見えてくる。
第4回 放射線技師としてスキルアップをするための近道とは。これから求められるスキルについて。