前回に引き続き、現役で活躍されている臨床検査技師の方に、実際にどのような流れで働いていらっしゃるのか、一日の流れやその業務内容について詳しくお伺いしました。
◼日々の勤務時間・勤務・業務内容などを教えていただけますでしょうか?
平日は8時45分から17時45分の勤務時間が基本です。ただ、朝はみな早めに出勤して、健診の準備をしたりしています。装置を立ち上げた後は、全体朝礼後に部署ごとのミーティングを行い、その日の業務を確認します。意外に朝からやることが多いんですよ。
休日に関してですが、現在勤めている病院は、日曜日(祝日以外)も開いているので、それぞれのスタッフが4週8休(+祝日)のペースで休めるようにシフト制を組んでいます。
■年間を通じて忙しい時期や比較的落ち着いている時期など年間のイメージ教えていただけますでしょうか?
季節的には、5~7月と、9月から年末にかけて忙しくなりますね。そして、1~3月などは比較的緩やかという感じです。理由としては、年末年始、年度末や年度初めなどは、多くの人にとって仕事やプライベートで繁忙期ということが挙げられると思います。
また、瞬間的な忙しさもあります。例えば、いま「乳がん」がすごく話題になっているので、瞬間的に乳がんの検査が増えているなど。テレビで取り上げられた検査のオーダーが急に増える時期もあったりします。
◼現在はどのような勤務先になりますか?(地域・種別・規模etc) 勤務先による違いとかは大きいですか?現在勤務されている中で良い点・改善点などありますか?
現在は健診クリニックに勤めていますが、通常の外来診療も行っています。両方とも、20時過ぎまでやっています。
もちろん勤務先によって、業務の違いはあると思います。例えば、小さいクリニックであれば、検査関連の業務とともに、一般的な事務作業などをこなすこともあると思います。現在私が勤務しているところでは、臨床検査技師が3人と少人数のため、検査技師業務のほかに、受診者ロッカーの清掃なども皆で手分けして行っています。
一方、大きい病院であれば、一つの業務のみを対応するというケースが多いと思います。臨床検査技師として長くキャリアを積んでいる方でも、「この業務はやったことがない」ということが多くみられるのは、そういった業務方針の違いによるものだと思います。
◼休日はどうされていますか?
親の介護の都合もあり、自宅や実家で過ごす時間が多いです。ただ、土日休みの主人と休みが合うときは、一緒に出かけたりします。
でも、平日にしか行けないところもありますし、そういうところに行きたいときは、むしろシフト制ということを利用して臨床検査技師3名で協力して、休みをうまくやりくりしている感じです。
◼職場の仲間や同業につかれている方々との交流はありますか?
エコーの勉強会に運営スタッフとして、かれこれ十数年近く参加してきました。
キャリアを積み、勤務する病院も決まってくると、人に質問する機会というのが少なくなってくるんです。先輩もいなくなってきますからね。そんなときに、外部との繋がりがあるのはとてもありがたいです。「あの人に聞いたら、詳しいかもしれない」という関係性を多く持てているのは、私にとっては成長の糧になっています。
院外の勉強会では、他院の臨床検査技師の他に、医師や診療放射線技師との交流の機会もあります。CTやMRにも詳しいため、いろいろと伺えてとても助かっています。
あとは、以前の職場の同僚とも、結構頻繁に会ったりしていますね。
現在の職場では、月に一度、院内スタッフの飲み会があり、ドクターを含めて毎月盛り上がっています。
ありがとうございました。
次回は、臨床検査技師として働くということに関して、どういったところに遣り甲斐があるのか、また苦労するポイントはどこなのか、などをお伺いしていく予定です。
渋谷区にある「MYメディカルクリニック」検査科の責任者として勤務
得意な検査は超音波で、その業務に関連する認定を所有。MYメディカルクリニック
http://www.mymc.jp/
■ベテラン臨床検査技師が語る魅力
第1回 どんな人が向いてるのか。臨床検査技師はプロとして、「納得のいく説明を行う」義務がある。
第2回 繁忙期のほかに「瞬間的な忙しさ」が発生する時があります。
第3回 「この人のために、早期発見がしたい」。この想いを持って、検査の精度を追求していく仕事だと思います。
第4回 まずは装置に触るチャンスを得ること。そして「やりたい」と声を上げることが重要。