今回は、現役で活躍されている臨床検査技師の方に、その仕事を選んだ理由、当時の志などについて聞いてみたいと思います。
臨床検査技師とはどんな仕事か?苦労してきたことはなにか?から休日の過ごし方までこの道28年のベテランの成田奈奈さんにお話を伺いました。
◼プロフィールを教えていただけますでしょうか?
成田奈奈と申しまして、健診センターで28年間、臨床検査技師として働いています。
母の介護をきっかけに転職することになりまして、昨年10月から、渋谷区にあるMYメディカルクリニックで検査科の責任者として勤務しています。得意な検査は超音波で、その業務に関連する認定を所有しています。
◼臨床検査技師とはどういったお仕事でしょうか?
臨床検査技師といっても、いろいろな検査があるので一括りにはできないのですが、大きく二つの道があると思います。
一つは、その道のスペシャリストという形で極めていくタイプ。特に大病院に入ると実現するキャリアで、ある検査を集中的にずっと極めていくタイプですね。
二つ目は、全般的にあらゆる検査ができるように経験を積んでいく、というタイプです。どちらかというと、大病院よりもクリニック型の病院などではこういったタイプが多いかと思います。
また、「検体検査」と「生理検査」という仕事内容による違いもあります。前者は、受診者さんから採った検血を検査し、後者は、直接受診者さんと接して検査を行う、という違いがあります。
◼臨床検査技師になりたいと思われたのはいつですか?また、そう思われたきっかけなどありますか?
高校受験の際、手に職を付けたい、資格があったほうが良いと思っていました。そういった条件でいろいろ調べていくうちに、臨床検査技師を知り、付属の専門学校に内部進学できる高校を選びました。
当然、その時はまだ臨床検査技師という仕事がどんなものかということはわかっていませんでした。だだ、漠然とではありますが、医療系の仕事は嫌ではない、と思っていたのでそこに決めた記憶があります。
実は、高校卒業後、デザインの専門学校に進む、という進路も考えていたのですが、やはり最初の目的である「手に職をつける」ということを重視しました。今思えば、自分なりに堅実な判断をしたと思います。
◼どういう仕事のイメージを持たれていましたか?
最初は全く分かりませんでしたが、高校の授業や、付属の専門学校の学園祭などで行われる発表などを見て、だんだんとイメージが湧いてきた、という感じでしょうか。
やはり、医師や看護師みたいに「臨床検査技師ってこんな仕事」っていうイメージを持っている人はまずいませんよね。
◼臨床検査技師になろうと思ってからは具体的にどういう行動をおこされましたか?
専門学校の資料などを取り寄せて、いろいろと学んでいきました。同じ高校の部活の先輩なども専門学校に進学していたので、そういった繋がりのある人からお話を聞いたりして、具体的にどんな勉強をするのか、情報を集めていきました。
◼臨床検査技師になる為にはどういった方法がありますか?ご自身はどの道を選ばれましたか?それぞれの特徴やメリット・デメリットは?
正直、そこまで詳しくはわからないです。私の場合、高校進学の時点で、専門学校に行くことを見据えて進学したので。専門学校の他には大学への進学があります。
大学で学んだ場合、医療機器が充実していたり、就職のつながりが多かったりなどのメリットがあると思いますし、ご自身の状況に合わせていろいろな選択肢を選べると思います。
◼ご自身の性格は臨床検査技師に向いていると思いますか?どういった点で向いていますか?ちなみにどういった性格の人が向いていると思われますか?
人と接することが好きな人、という条件はあると思いますね。
臨床検査技師は、人と接する機会がすごく多い仕事なんです。病院では、受診者さんがストレスを抱えているケースも少なくありません。小さな誤解や食い違いなどでも、クレームなどの問題につながることもあります。
そういう時は、プロとして「受診者さんに対し、納得のいく説明を行う」というのが業務上の義務でもあります。
私はもともと、そこまで「人と接するのが好き」というタイプではありませんでした。でも、20年、30年とやっていけば、そういった部分もスキルとして磨かれていくんですよね。業務内容は多岐にわたっていますので、臨床検査技師を目指そうという時点で人と接するのがそこまで好きじゃないという人も、心配せず挑戦してほしいと思います。
ありがとうございました。
次回は、臨床検査技師の方の実際の勤務形態や、一日のスケジュールなどについてお伺いしていきます。
渋谷区にある「MYメディカルクリニック」検査科の責任者として勤務
得意な検査は超音波で、その業務に関連する認定を所有。MYメディカルクリニック
http://www.mymc.jp/
■ベテラン臨床検査技師が語る魅力
第1回 どんな人が向いてるのか。臨床検査技師はプロとして、「納得のいく説明を行う」義務がある。
第2回 繁忙期のほかに「瞬間的な忙しさ」が発生する時があります。
第3回 「この人のために、早期発見がしたい」。この想いを持って、検査の精度を追求していく仕事だと思います。
第4回 まずは装置に触るチャンスを得ること。そして「やりたい」と声を上げることが重要。