日本人の死因の中でも2番目に多いのが心疾患です。心疾患の治療では、カテーテルを使ったインターベンション治療が行われることがあります。このインターベンション治療で補助につく臨床工学技士や臨床検査技師に与えられる資格が「心血管インターベンション技師」です。
しかし、耳慣れない資格であるため、どんな仕事をするのか、どうしたらなれるのか、わからない人も多いでしょう。この記事では、心血管インターベンション技師の仕事内容や資格の取り方などを紹介します。
心血管インターベンション技師の仕事内容
インターベンション治療とは、狭心症や心筋梗塞の原因になる動脈硬化によって狭くなった血管を広げ、詰まりを取り除くために行うカテーテル治療のことを言います。心血管インターベンション技師は、インターベンション治療を行う医師の補助に付き、心臓カテーテル検査や治療の手助けを行います。
心血管インターベンション技師になるには
心血管インターベンション技師の資格は、日本心血管インターベンション治療学会独自の認定制度として、2015年に生まれた新しい資格です。以下の条件を全て満たしている臨床工学技士もしくは臨床検査技師が、試験に合格し申請を行うことで取得できます。
- 日本心血管インターベンション治療学会専門医または認定医のもと、5年間に200例以上の血管インターベンション治療の補助経験がある
- 受けようとする試験の申請日からさかのぼって5年の間に経験した200例以上の治療補助のうち、100例以上が冠動脈形成術の治療である(検査は経験に含めない)
- 日本心血管インターベンション治療学会コメディカル会員であり、申請年度までの年会
を納めている - 日本心血管インターベンション治療学会の心血管インターベンション技師講習会を申請前の2年間で1回以上受講している
- 臨床工学技士または臨床検査技師としての職務経験が満3年以上である
心血管インターベンション技師が活躍できる場所は?
心血管インターベンション技師は、心疾患のインターベンション治療に特化した資格で、合格率の開示はありません。実務経験を要する申請資格であるため、活躍の場はインターベンション治療を行う大学病院などの総合病院が多いでしょう。
心血管インターベンション技師の資格を持っている人は現在はまだ少数で、現時点では年収に影響はなく、心血管インターベンション技師としての求人も、ほとんど見られません。しかし、心疾患の治療が必要な患者さんは今後も増えることが予想されるため、資格を持っていると総合病院への転職に有利に働きます。
インターベンション治療に興味がある臨床工学技士や臨床検査技師にとっては、他の人との差別化を図るためにも取っておきたい資格の1つと言えるでしょう。