診療放射線技師は通常、病院やクリニックなどX線などを使った検査を行っています。さらに、放射線を使ったがんの治療まで行うなどさまざまな検査を行うこともあります。最近では、マンモグラフィ検査など、女性特有の検査をする人が増えたため、女性の放射線技師の需要もあります。
病気の早期発見のためには、診療放射線技師は医療機関にとって欠かせない存在です。将来、診療放射線技師を目指している方は、まずどのような受験資格が必要なのか、また学校で学ぶ内容、卒業後の進路について説明しますので、ぜひとも参考にしてください。
受験資格を得るには3つの方法がある
診療放射線技師は、医師の指示のもと、病気を発見するためにX線などで検査したり、がんなどの放射線照射などをしたりします。診療放射線技師になるには、まず国家試験に合格しなければなりません。診療放射線技師の国家試験を受験するには、いくつかの条件があります。その条件について紹介します。
- 高校を卒業して大学を入学できる者で、文部科学大臣または都道府県知事指定した診療放射線技師養成所において、3年以上診療放射線技師の必要な知識や修習を終えたもの。
- 外国の診療放射線技術を学ぶ学校、もしくは養成所を卒業している。または、外国で免許に相当する免許を受けたもので、厚生労働大臣が同等以上の学力、または技能と認めたもの
- 昭和59年10月1日に診療エックス線技師、または診療エックス線技師試験を受験できたもので、文部大臣が指定した学校または、厚生大臣が指定した診療放射線技師余生所で1年以上診療放射線技師として必要な知識や技能の修習を終えたもの。
上記のようになっています。つまり、高校を卒業してこれから診療放射線技師を目指す方は、指定された大学で4年間勉強するか、短期大学・専門学校で3年以上勉強することが求められているということです。
診療放射線技師の学校ではどのようなことを学ぶ?
診療放射線技師の学校では、大学・短期大学・専門学校によりカリキュラムは違いますが、以下のような内容を学びます。
ある専門学校の場合
- 1年次
1年次は物理学・化学というように基礎的な分野を勉強します。また、診療放射線技師の知識を深めるためにも、放射線や医学の基礎的な部分も学びます。 - 2年次
1年次に学んだ基礎的な知識を活かしながら、病理学・微生物学と本格的な専門科目の勉強がはじまります。また2年次から臨床実習を同時にはじめます。 - 3年次
今まで学んだ知識をいかして、より高度な技術をまなびます。国家試験に向けて知識を詰め込むだけでなく、さらに臨床実習の時間を増やして、卒業した後もすぐに活かせるような技術を身につけます。
また臨床実習は実際に大学病院や総合病院・がんセンターなどでもおこなわれます。毎年2月に厚生労働大臣が行う診療放射線技師試験を受験し合格します。そのあと、厚生労働大臣が診療放射線技師に登録して初めて診療放射線技師として働くことができます。
卒業後はどのような就職先がある?
診療放射線技師の学校を卒業して、国家試験に合格すると就職活動をおこないます。就職先は、総合病院・大学病院などが多く、まだまだ人員が不足している施設が多いため、比較的就職先は見つかりやすいです。給与は国公立病院の場合、公務員となるので臨床検査技師と同じ額になります。国公立病院以外の病院では、若干上がる傾向ですが施設によって異なります。
また病院だけでなく、医療機器メーカーなどで働く診療放射線技師もいます。アプリケーションスペシャリストになると、病院へ出向き製品の使い方を説明したり、病院の担当者に商品の説明をおこなったりすることができます。外資系の医療機器メーカーになると若干給与が上がることがあります。
診療放射線技師の仕事は、常に新しい医療機器が開発されるため、常に努力が必要です。また最近では、女性の診療放射線技師はマンモグラフィ検査など女性を対象とした検査に需要があります。技術や知識だけでなく、患者をどれだけ安全で安心して検査するのかといったことも必要となるでしょう。
いかがでしたか。将来、診療放射線技師を目指している方は、どのように感じたられたでしょうか。どの学校にするか、また卒業後はどのような仕事に就きたいかなどイメージがわいたのではないでしょうか。まず受験資格を得るためには、診療放射線技師の学校を卒業し、国家試験に合格することが必要です。まずは、自分が何からはじめたらいいのか知っておきましょう。