臨床検査技師は医師の指示のもと、患者の病気の診断や治療のために「検体検査」と「生理学的検査」を行う医療の専門職です。
臨床検査技師は国家資格です
臨床検査技師になるためにはまず国家試験に合格しなければなりませんが、その国家試験を受験するのは、誰もが簡単にできる訳ではありません。まず、受験資格を取得できる大学もしくは専門学校の課程を修了する必要があります。
最近では短期大学が廃止されて4年制大学に移行している学校も多いので、実質的には国公立大学か私立大学で4年間学ぶか、専門学校で3年間学ぶという選択肢になることが多いと言えます。
しかし、受験をするまでには時間とお金がかかるので大変そうに見えますが、国家試験の合格率は70%と比較的高く、その中でも90%が学校を卒業する年に合格している新卒者で占められているというデータもありますので、在学中にきちんと勉強していれば国家試験に合格すること自体は狭き門というわけではなさそうです。
では、大学と専門学校を選択する場合の違いや、メリット・デメリットはどこにあるのでしょうか。詳しく説明していきます。
大学を選択するメリット・デメリット
4年制大学の場合の最大のメリットは、専門学校に比べると比較的時間に余裕のある学生生活を送ることができます。
また、就職してから論文や学会発表などの場がありますので、大学で卒業論文やレポートの経験を積めるのは大きなメリットだと言えます。
就職の際には病院によっては大卒者を優遇しているところもあり、50代、60代で管理職の候補になれるのも大卒者が選ばれるケースが多いようです。
もちろん年齢や学歴を問わず、実力重視の病院もありますので、就職の際には詳しくリサーチしておくと良いでしょう。
一方で大学を選択するデメリットは、入試が狭き門であることと社会に出るまでに時間がかかるという点です。
学費の面だけで見ると国公立大学に入学できれば一番学費を抑えることができますが、入試に必要なセンター試験の教科も多い上に、受験する個別の大学用の試験勉強もしなければならないので、難易度はかなり高くなります。
専門学校を選択するメリット・デメリット
専門学校は大学に比べると比較的入学しやすく、日頃からきちんと高校の授業を受けておけば受験の準備に切迫されるということはまずないと言えるでしょう。
最短3年間で受験資格を得て、社会に出ることができるので、同年代よりも早くから実際の医療現場で臨床の実務経験を積み重ねることができるというメリットがあります。
近年では、医療業界で臨床検査技師の人気や需要が高まっていることから、競争率の高い専門学校も増えてきているようですので、入学を検討する際は様々な学校のデータを参考にしましょう。
専門学校を選択するデメリットは、3年間で全ての課程を修了しなければならないために学校生活は講義やレポートなどでかなり忙しく、国公立大学に比べると学費が嵩むという点です。
また、大手の総合病院への就職は大卒者限定で門戸が開かれている場合が多いので、就職したい病院の募集要項などで応募条件を把握しておきましょう。
臨床検査技師を目指すためには、大学もしくは専門学校を修了し、国家試験をパスしなければなりません。
専門の養成学校を修了してから試験を受ける以外にも、薬学部や理学部、獣医学部などで臨床検査技師国家資格受験に必要な関連科目の単位を取得していれば国家試験を受験することができます。
また、試験は1年に1回ですので就職の内定が先に決まっていても国家試験に合格しないと内定が取り消されることもありますので、大学・専門学校を問わず、在学中はしっかりと勉強しておきましょう。
医療の発達にともない資格や認定資格も様々な方面へ専門化が進んでいますので、自分がどのようなスペシャリストになりたいか見据えながら学び続けることが大切です。