臨床検査技師という国家資格を持っているだけに、転職には有利だと思われる臨床検査技師ですが、転職をする場合は年齢が若い方が有利なのでしょうか?それとも、ある程度キャリアを積んでベテランになってからの方が良いのでしょうか?今回は、収入や待遇を重視する場合と、ライフスタイルに合わせることを重視したい場合に分けて考えてみました。
基本的には年齢は若い方が転職に有利だが
臨床検査技師は、患者の血液検査や心電図検査などを医療機関で行う仕事です。そのため、医師の指示を的確に理解して、正確な検査結果を出せる人材が求められます。
医療技術が加速度的に進歩を遂げている現代、採用側としては次々と開発される新しい技術や医療機器への対応がスムーズにできる年齢の若い人たちに目を向けて採用を検討することが多くなっているのが現状です。
ただ、年齢が高いと転職において絶対的に不利というわけでもありません。資格がものをいう業界ですから、臨床検査技師の資格に加えて現在必要とされている他の資格も取っておくことで、自分の価値を高めることができます。
年齢が高くなってからの転職を考えるなら、細胞検査士や超音波検査士などの資格を増やしておくといいでしょう。また、検査室のリーダー職の求人であれば、むしろ年齢が高い方が有利になるかもしれません。資格を取得していることで、「新しいことを身につける意欲」があることの証明にもなります。
ライフスタイル優先での転職も
転職を考える理由としては、収入や待遇面、キャリアの向上を求める場合が多いですが、臨床検査技師の7割を占める女性の場合は、それ以上にライフスタイルの変化に対応するために転職を考えるというケースも多いでしょう。
結婚、出産、子育てなど、ライフスタイルの変化に合わせて働き方を変えることを迫られることが多い女性は、若いうちからどのように仕事をしていきたいか、ライフプランを考えて年齢や状況にあった働き方を計画していくと、仕事の面でも満足できるキャリアが築きやすくなります。
独身で自由のきく若いうちは、夜勤対応を経験しておいたり、研修会にもできるだけ出席したりして、キャリアを充実させておきましょう。
子育て中であれば、託児施設のある病院などを探してみると良いでしょう。定時で帰れる検査機関や健診センターへの転職で、家庭と仕事が両立しやすくなります。もしくは一般企業で治験を行うスタッフになれば、土日が休みなので、パートナーとも休日が合わせやすくなりますね。
常に向上心を失わずにチャンスをつかもう
新卒のときとは違い、即戦力として期待される中途採用では、ただ若いというだけで転職が上手くいくことはありません。医療にかかわるスペシャリストとしての実力は、年齢を問わず求められます。資格を取り、就職できたからといって、新しい技術や知識を身につけることを怠ってしまうと、転職どころか現在の職場でも役に立たない人材になりかねません。
医療機器の進歩に伴って注目度の高まっている臨床工学技士の資格も、臨床検査技師の有資格者なら1年間養成学校に通うことで資格取得が可能になります。時間が自由に取れるときは、さらなるキャリアアップを視野に入れておきましょう。
家事や子育て中でブランクができた場合でも、慣れた仕事に戻りやすいのは有資格者の強みです。仕事への関心を失わずに勉強をしたり、ライフスタイルに合う職場を探したりすると良いでしょう。
常に新しい技術や知識に興味を持ち、社会の変化にも敏感になっておくことが、自分のキャリアを満足いくものにしていくためには不可欠なのです。
臨床検査技師に限らず、1カ所で長期間働かずにキャリアアップを目指したり、ライフスタイルの変化に合わせて転職を考えたりする人が多くなっています。不満を抱えたまま同じ職場に勤め続けるよりも、良い結果に結びつくことも多いはずです。常に自分を磨き続け、どんな職場でも通用する存在であり続けることを心がけながら、資格を活かしていきましょう。