臨床検査技師は、病院だけでなくクリニック・健診センター・医療機器メーカーなどいろいろな場所で働いています。それぞれ施設の規模により、臨床検査技師がおこなう検査も異なります。将来臨床検査技師と働きたい方は、毎日どのような仕事をしているか知りたい方も多いでしょう。そこで臨床検査技師が一日の流れについて見ていきましょう。
臨床検査技師はどのような仕事をおこなっている?
臨床検査技師は病院やクリニックなどでおこなわれている仕事内容について紹介します。
病院
クリニックではそれほど多くの機器を設置していないため、施設によれば簡単な血液や尿などの検査だけをおこなうクリニックもあります。また臨床検査技師の人数も少ないためいろいろなことに対応しなくてはいけません。どちらかといえば、いろいろな検査を経験している人が採用されやすくなります。
クリニック
大学病院・総合病院など規模によってことなりますが、病院では血液や尿を検査する「検体検査」と心電図・超音波などの検査する「生理機能検査」をおこないます。大きな病院の中には、検査室がありそこで臨床検査技師が検体検査をおこないます。
最近では、超音波検査をおこなう「超音波検査士」やがんの早期発見につながる「細胞検査士」という資格を持つ方も増えています。また、毎日多くの患者が来院するため、いろいろな種類の検査を経験できます。ただし、特殊な検査は外部の検査センターに依頼することがあります。
臨床検査技師がおこなう一日の流れ
検体検査と生理機能検査をおこなう臨床検査技師の一日の流れについて紹介します。
検体検査
8:30~
まず検査をおこなう機械の電源をつけます。夜勤担当から引き継ぎをおこなうこともあります。外来が始まる前に準備をします。
9:30~
現場から集まった血液や尿を自動分析器にかけます。交代で採血をおこなう場合もあります。病院でできない検査は、外部の検査センターへ連絡します。
12:00~
休憩
13:00~
午前中と同じように採血や検査をおこないます。また入院患者の検体を回収したりすることもあります。
16:00~
検査結果の報告書をまとめます。
使った機械を洗浄し、明日の検査に備えて準備をおこないます。
緊急検査が重なると残業をすることもあります。
生理機能検査
8:30~
検査をおこなう機械を立ち上げます。検査をおこなうために外来の準備をします。
9:00~
心電図・超音波・MRIなどの検査をおこないます。医師の指示通り順番におこないますが、急患が間に入ることがあります。
12:00~
休憩
13:00~
外来患者の検査をおこないます。
16:00~
検査結果の報告書をまとめます。
生理機能検査の場合、その日の患者の数が多いときは、残業がある場合もあります。
臨床検査技師に求められるスキルとは
検体検査、生理機能検査の一日の流れをみると、施設にもよりますが仕事が途絶えるということはほとんどありません。特に人数の少ない病院では、速さと正確さが求められるでしょう。また、検査をするだけでなく、患者と接する仕事もあります。
採血業務や生理機能検査は、患者にわかりやすく説明することも大切です。また生理機能検査の場合、心電図や超音波検査などをおこなう女性技師の需要が高まっています。また、採血業務も臨床検査技師の仕事となっているので、検査に対する技術や知識だけでなく、患者とうまくコミュニケーションをとることも大切です。常に向上心をもち、新しい知識を増やしていく努力が必要でしょう。細かな作業を苦に感じず、どんなときにも冷静な判断を持ち、長時間同じ作業をおこなうので集中力も必要となります。
また、医師・看護師など他の医療職の方たちとチーム医療をおこないます。病気を治すだけでなく予防医療に対しても需要は高まっているのでこれからさらに多くの場所で必要とされる存在でしょう。
臨床検査技師の求人はますます増えており、多くの医療施設で必要とされています。病院・クリニックだけでなく、医療機器メーカーなど活躍の場所は広がっています。これからますます臨床検査技師の需要が高くなっていくでしょう。臨床検査技師の仕事は病気を発見するだけでなく、病気を予防することもできます。検査を苦痛に感じる患者もいますが、反対に患者に感謝されることもあります。女性技師の需要も高くなっているので、多くの場所で活躍する人が増えていくでしょう。