ME1種とはどんな資格?
第1種ME技術実力検定試験(ME1種)は、公益社団法人日本生体医工学会が主催している検定試験です。医療機器を取り扱う医療従事者が、医用工学を元に適切に医療機器を扱うために作られた資格検定です。
主な仕事内容は、人工透析装置や手術中に使われる医療機器など普段臨床工学技士が行う医療機器の操作や管理などについて学びます。第1種ME技術実力検定試験の目的は、「ME機器または関連設備の保守・安全管理を中心に総合的に管理する専門的知識・技術を持ち、他の医療従事者に対し、ME機器および関連設備に関する教育・指導ができる」としています。
医療機器の知識や技術を持ちながら、ほかの医療技術者に対して教育ができるレベルを求められているので、これからさらに必要になっていく資格になるでしょう。
ME1種の試験内容とは
ME2種をとったら、次に目指したいのがME1種です。正式名称は「第1種ME技術実力検定試験」。受験資格として実務経験の有無は問いませんが、「第2種ME技術実力検定試験合格者」であること、「臨床工学技士免許所有者」であることのいずれかは必須となります。試験は毎年6月中旬の日曜日に行われ、一般受験者と科目合格受験者で時間は異なります。一般受験者の場合は9時から17時となっています。科目合格受験者は両科目受験または不合格になった科目のみの受験、いずれも可能です。合格した科目の有効期間は3年となっています。
試験会場は「札幌会場」「東京会場」「名古屋会場」「大阪会場」「福岡会場」と全国の5会場であり、各地域からアクセスしやすくなっています。受験料は初回受験者 20,000円、再受験者(科目合格受験者を含む)は12,000円となっています。過去に第1種ME試験を受験したことがある場合は割引制度もあるようですので、確認しましょう。試験は筆記試験と小論文となっています。Ⅱ種はマークシートであるのに対し、記述が求められることになります。試験範囲はME基礎論からME機器論など、幅広く出題されます。第1種ME技術実力検定試験に合格すると、「第1種ME技術者」という呼称を使用できることになり、認定のバッジが与えられます。
ME1種を持っていると就職は有利?
MEⅡ種に比べ、難易度が高くなったMEⅠ種ですが、持っていることで就職に有利に働くのでしょうか。これは、採用する企業やあなたの置かれた状況にもよりますが、就職などでは優遇される可能性もあります。履歴書などに記載することにより、目につく資格といえるでしょう。
こうしたことから、転職などを考える人も持っていて価値のある資格といえそうです。ただし、在職中に試験に合格したからといって、給料面で優遇される可能性は少ないと言えそうです。しかし、難易度の高い試験であることから、MEⅠ種を取得したことにより、病院や上司など周りの評価も上がる可能性はかなり高いでしょう。
MEⅠ種のみではなく、多くの試験でいえることですが、試験の段階が上がるにつれ、難易度は当然高くなります。それに伴い合格率も低くなっていきます。難易度が高い試験であればあるほど、試験に向けた勉強も必要であり、本人のやる気も重要になってきます。試験に合格するということはもちろん大切なことですが、合格したことにより、あなたのまじめに勉強した姿ややる気をアピールすることができます。難易度の高い試験、あなたの本気度をアピールするためにも、ぜひ取得に向けて努力してみてはいかがでしょうか。
ME1種の難易度はどれくらい?
2017年に行われた試験の合格率は28.3%ですので、難易度が高いということが分かります。また、臨床工学技士の受験が多いですが、受験資格は特にありません。
これらのことから、幅広い医療従事者や医療機器に関する仕事をしている方の受験が考えられます。
講習会受講対象者は、以下の通りです。
- 医療機関でME機器の使用や保守・安全管理を担当している人
- 会社などでME機器の研究・開発・製造・販売・保守を担当している人
- 学生などでME機器の保守・安全について関心を持っている人
- その他には、将来この仕事の担当を考えている人
- 第2種ME技術実力検定試験に合格している者
- 臨床工学技士免許を所有している者
講習会の受講対象者と受験資格には違いがあるので、第1種ME技術実力検定試験を受験したい方は、受験資格を確認しておきましょう。
ME1種の合格率はどれくらい?
2017年に行われた第1種ME技術実力検定試験は、応募者が516名で、受験者は466名でした。合格者は132名で、合格率は28.3%となっています。今回の検定試験は第23回目となり、第1回目の応募者数は561名でしたので、あまり受験者数は変わっていません。
また、合格率も24.6%とあまり変わっていませんでした。合格率は20%台と低いので、何度も受験するという方もいるのでしょう。
試験範囲については、以下の通りとなっています。
- ME基礎論
- 物理・化学
- 医用機械工学
- 医用電気・電子工学
- 医用情報通信工学
- 信頼性・安全性高額
- 生体物性
- 医用材料
- ME機器論
- 機器運用・関連法規
- 病院設備
- ME機器に関する共通問題
- ME機器に関する選択問題
- 小論文
ME1種の勉強方法とは
第1種ME技術実力検定試験は、毎年東京・大阪・福岡・北海道・名古屋(2017年は人数が少なかったため中止)で講習会が行われています。
講習会では、過去3年分の問題を参考に解説しています。講習会の内容を見ると、主に過去に出た問題が出される確率が高いので、独学で受験される方はその点に注意して勉強しておくといいでしょう。
講習会の内容は以下の通りです。
- 基礎工学および応用工学の概要
- 病院管理、機器管理、医療関連法規
- 各種安全規格と共通保守管理技術
- ME機器の概要と保守管理技術
- 病院・在宅設備の概要と保守管理技術
講習会では、過去問の解説のほかに、質問コーナーを設けています。
また、独学で勉強する場合は、以下のテキストが販売されています。
- 第1種ME技術実力検定試験テキスト
- 第1種ME技術実力検定試験問題解説集(年度ごとに作られています。)
ME1種の講習会とは
2017年に行われた講習会では、以下のようなプログラムが行われました。
第1種ME技術実力検定試験について
- ME総論
- 理解すべき工学的基礎知識1
- 理解すべき工学的基礎知識2
- 計測用機器の概要と保守管理1
- 計測用機器の概要と保守管理2
- 治療用機器の概要と保守管理1
- 治療用機器の概要と保守管理2
- 機器・設備の基本規格と保守管理
- 医療ガス設備の保守管理(人工呼吸器含む)
受講料は15,000円でテキスト1冊と問題解説集3冊含みます。
テキスト
- 第1種ME技術実力検定試験講習会テキスト
- 過去3年分の第1種ME技術実力検定試験問題解説集
講習会を受験する時間がない方は、独学で試験を受けることも可能です。ただし受験資格がありますので、条件を満たしているか確認しておきましょう。