体外循環技術認定士とは、人工心肺に代表されるさまざまな体外循環装置に関するスペシャリストです。1987年に始まった資格で、看護師や臨床工学技士のスキルアップ資格として人気があります。
この記事では、体外循環技術認定士の仕事内容や資格の取り方を紹介します。
体外循環技術認定士の仕事について
体外循環技術認定士は、心臓の手術が行われる際に医師の指示のもと、人工心肺などの体外循環装置を操作するのが主な仕事です。手術の時に安全に使えるよう、普段から装置の管理を行います。もし、装置に異常があった場合には、迅速に対応しなければなりません。
体外循環技術認定士の受験資格
体外循環技術認定士になるための受験資格は、以下の条件を全て満たしたうえで、体外循環技術認定士試験を受け合格する必要があります。
- 心臓血管外科専門医認定機構が認定する施設において、対外循環に関する経験がある臨床工学技士、看護師および准看護師
- 日本体外循環技術医学会および日本人工臓器学会の正学会員
- 所定のセミナーを受講し、決められた単位数を取得している人
- 体外循環装置の操作経験が30例以上ある人
なお、実務経験年数は臨床工学技士および看護師で3年以上、高卒の准看護師で4年以上、中卒の准看護師では5年以上となっています。また、アルバイトでの経験は認めらない点に注意しましょう。
体外循環技術認定士の試験は、年1回東京女子医大で開催されています。合格すると資格が与えられますが、認定期間は5年間ですので、5年ごとに更新する必要があります。
更新の際には、資格取得時と同じように一定の症例を経験しておかなければなりませんし、問題対策も必要です。また、所定のセミナーに参加して決められた単位数の取得も必須となっています。
体外循環技術認定士の勤務先
体外循環技術認定士が活躍する場は、心臓手術を行うことができるような総合病院がほとんどです。求人は、看護師よりも臨床工学技士の方が多く見られます。
特に、総合病院の臨床工学室での募集が多いでしょう。そのため、臨床工学技士の転職に有利な資格と言えます。
看護師の場合は、総合病院で心臓の手術に関わる部署に所属している人が資格を取得する場合がほとんどです。
年収は臨床工学技士と看護師の免許に応じた年収となります。資格手当が付くことが多いため、他の臨床工学技士や看護師に比べるとやや高めの給料となる場合が多いでしょう。
体外循環技師認定士は、他の認定士資格の中でも歴史のある資格です。そのため、医療関係者の間ではよく知られており、合格率の高い資格です。取得していれば転職の際にも有利に働くことでしょう。
心臓外科に興味のある看護師や、専門性を高めたい臨床工学技士であれば、挑戦してみてはいかがでしょうか。