診療放射線技師は、主に病院やクリニックなどで働いています。学校を卒業したばかりの診療放射線技師は、どのような仕事を受け持つのか心配になる方もいるのではないでしょうか。
また、将来のためにどのような技術や経験をしておけばいいのか知っておきたいという方も多いでしょう。ここでは、現場での仕事内容や新人が受け持つ仕事内容などについて詳しくご紹介していきます。
診療放射線技師の具体的な仕事内容とは
診療放射線技師の仕事とは、レントゲンの検査をおこなうというイメージがあるでしょう。しかし、それは診療放射線技師の仕事の中の一部にすぎません。その他にも、どのような仕事をしているのか代表的なものを見ていきましょう。
一般X線検査
おもに肺の検査をするものです。肺がん・肺炎などはレントゲンに白い影として映ります。肺の他にも心臓や大きな血管も映るので、心臓の病気がみつかることもあります。
消化管造影検査
バリウムといわれる造影剤を使っておこなわれる検査です。食道・胃・十二指腸などの検査をします。ポリープや潰瘍・がんなどがみつかることがあります。
CT検査
X線を使って体の断面や内臓や血管などをみる検査です。CT検査ではいろいろな角度から検査をするので、X線検査でみつかりにくい検査をすることができます。
MRI検査
強力な磁石を使って体のいろんな方向から体の断面を撮影する検査です。MRI検査では臓器や血管などの検査をおこないます。MRIでしかみつからないものがあり、病気の早期発見にもつながります。
診療放射線技師は最初にどのような仕事を受け持つ?
診療放射線技師の仕事は、医師の指示のもと放射線などを使った検査や治療をおこないます。新人の場合、一人前になるには3年かかるといわれています。施設にもよりますが最初は一般X線検査からおこなわれ、次にMRI検査を担当します。
国立病院などの大きな病院では、新人教育プログラムが組まれており、新人に指導者がついてじっくりと仕事を学びます。
その間、新人がどの程度仕事を理解しているかなど到達状況を把握しながら進めていきます。検査業務をおこなうと同時に患者に不安感を与えないたための対応の仕方なども学ぶことがあります。
総合病院では、最新の検査機器を経験したり、いろいろな症例の患者の検査をしたりすることができます。診療放射線技師には、マンモグラフィ認定技師・放射線治療専門技師などさまざまな認定試験があります。現場で技術を身に着けながら、資格試験の合格を目指す方もいます。また、研修や学会などに参加し新しい知識を得る機会もあります。
診療放射線技師がこれから必要になる経験や技術とは
診療放射線技師は、最新の医学や技術を習得することが大切です。特に、診療放射線技師は常に新しく開発される最新機器についても知っておかなくてはいけません。
診療放射線技師の求人では、超音波検査などの経験者を求められることが多くなっています。また、マンモグラフィ検査をする女性技師の需要も高まっています。大きな病院では、一般X線検査以外にもCT検査・MRI検査などいろんな検査を経験することができます。
一方、小さな病院やクリニックでは一般X線検査。CT検査・MRI検査などが中心になります。診療放射線技師の少ない施設では、経験者が採用されることが多いので、将来のために新人の頃からいろいろな経験をしておいた方がよいでしょう。
また、診療放射線技師の仕事は、医師や歯科医師以外はできないので、多くの施設で必要とされています。ほとんどの人は病院やクリニックで働いていますが、医療機器メーカーでは研究や開発を行うこともあります。
ほとんどの勤務先では新人のために研修プログラムが組まれており、指導者がしっかりと仕事を教えてくれる場合がほとんどです。3年を目途に新人を基礎から育てようとしている病院もあります。働き始めたころはいろいろと不安もありますが、将来一人前の診療放射線技師としては働くために新人のころからいろいろな経験をしておくことが必要となるでしょう。