診療放射線技師は、レントゲンやCT検査も行いますが、最近では女性特有のマンモグラフィ検査を行うことが増えました。インターネットやテレビなどでマンモグラフィ検査を促すと、多くの方が病院に行くため女性技師の需要も年々増えています。今回は、女性技師がなぜここまで需要があるのか、またどのような仕事内容なのかを詳しくご紹介していきます。
診療放射線技師は女性技師が求められているのはなぜ?
診療放射線技師はまだまだ男性が多い仕事です。総務省が行った国勢調査による診療放射線技師の男女比がこのように報告されました。2010年は45,960名の診療放射線技師がおり、その中で男性は36,700名、女性は9,260名と圧倒的に男性が多い仕事となっています。(参照:総務省 統計局「平成22年国勢調査」)
この結果を見ると男性が優位の仕事のように見えますが、これからは男性よりも女性の人数が増えると考えられています。その理由は、マンモグラフィ検査を受ける女性が増えたからです。女性にとってとてもデリケートな検査なので、女性の放射線技師はますます必要となってくるでしょう。診療放射線技師の募集要項にも、女性のマンモグラフィ経験者を求めている病院もいくつかあります。
特に、健康診断を行う施設や、乳がんを専門に検査を行う施設では、女性の診療放射線技師はなくてはならない存在です。健康診断を行う施設では、マンモグラフィ以外にもCT検査やMRI検査、超音波検査など多数の仕事を診療放射線技師は行います。まだまだ女性が少ない仕事ですので、これから診療放射線技師を目指している人は今がねらい目なのではないでしょうか。
マンモグラフィとはどのような検査を行う?
マンモグラフィとは、乳がんを早期発見するために行われる検査です。乳房を圧迫し薄く平らにして検査を行います。触診やエコーだけではわからない小さな異変をマンモグラフィで見つけることができます。しかし、乳腺の発達している若い人は、乳腺と腫瘍が同じ白色なので見つかりにくいことがあります。
一方、エコー検査でも乳がんの検査を行います。エコー検査であれば、乳腺が発達している人でもマンモグラフィに比べてみつかりやすくなります。ただし、マンモグラフィで見つかる石灰化による腫瘍はみつかりにくくなります。どちらもメリット・デメリットがあるのでその人の年齢などの条件に合わせてどちらの検査を行うか決めます。
また、マンモグラフィは痛みがある検査だといわれています。痛みには個人差があり、乳腺の発達した人の方が痛みを感じるようです。このようにマンモグラフィに関する知識だけでなく、女性でしかわからない痛みは、患者の気持ちを配慮することもできるのではないでしょうか。
マンモグラフィ認定資格を取っておくと就職に有利に
診療放射線技師の資格があれば、マンモグラフィの検査は行うことはできます。しかし、マンモグラフィの検査の経験やマンモグラフィ認定資格に合格していれば、さらに就職に有利になります。このマンモグラフィ認定資格とはどのようなものなのか見ていきましょう。
マンモグラフィ認定資格は、マンモグラフィ検査を行う診療放射線技師のスキルを一定に保つことを目的に作られた資格です。試験を受験するには、日本乳がん検診精度管理中央機構主催または共催の講習会を受講しなければいけません。講習会は2日に分かれ、2日目に筆記試験が行われます。
マンモグラフィ検査に携わりたいという方は、未経験でも応募できる施設はありますが、経験者を求めている場合がほとんどです。最初の職場では、診療放射線技師として、一般X線やCT、MRIを経験していた方も、転職を考えるのであればこの認定資格をとっておくと未経験であっても、マンモグラフィの仕事につきやすくなります。
女性の診療放射線技師であれば、マンモグラフィ検査に着く機会が多くなります。もちろん、一般X線・CT・MRIといった検査でも必要とされる施設も多いでしょう。もし将来転職を考えることがあれば、このマンモグラフィの経験や資格は大変役にたつでしょう。
また、結婚出産などで一度退職した場合でも、マンモグラフィの経験や資格があれば派遣やパートとして働く方もいます。診療放射線技師として働きたい方は、この認定資格をとっておいて将来のために備えておいてはいかがでしょうか。