診療放射線技師として働いている方には、これからどのような能力が求められてくるのでしょうか。もちろん、医療は日々進歩しているので医療知識や医療機器の知識は必要です。しかし、それだけで大丈夫でしょうか?
CTやMRIの検査を受ける患者は不安を抱えています。次はどんな検査をするのだろう、もし悪い結果が出たらどうしようなど頭の中がいっぱいです。
診療放射線技師には、患者が安心して検査を受けられるように、適切なコミュニケーションを行うことも求められています。
診療放射線技師はどのようなコミュニケーションが必要?
CT・MRIなどの検査は初めての人も多く、検査室に入ったもののどうしていいかわからない患者も多いでしょう。そこで診療放射線技師がわかりやすい説明をしないと、患者は戸惑ってしまいます。では、具体的にどのような流れで検査が行われているのかを確認してみましょう。
まずは、医師から患者に検査をするように話しをします。その後、患者が検査室に行き、診療放射線技師が検査を行います。その検査結果をもとにこれからの治療を行っていくことになります。
診療放射線技師は、検査を受け付けたときの説明、検査室の中での説明、検査が終了したという説明というように、その場に応じて都度説明をしなければいけません。しかし、機械のように、毎日同じことを説明するだけなどということはありません。
例えば、高齢者の患者には大きな声で説明したり補助が必要なったりすることもあるでしょう。検査を受ける患者によって、説明方法はおのずと変わってきます。
これから求められる診療放射線技師のコミュニケーション能力とは
65歳以上の高齢者がどんどん増えて、日本も高齢化社会となっています。病院側も高齢者の方が多く来院するので、いろいろな対策が必要となってくるでしょう。特に、認知症検査で必要な、CTやMRIと言った検査はうまく行かないこともあるようです。
例えば、なかなか本人が自分の病気を認めたくなく、検査を受ける気がなかったり、検査に対する理解が得られなかったりということもあります。また、認知症の場合症状が進むと、暴れたり、暴言を吐いたりすることもあります。さらに体が不自由な患者は体を動かすためのサポートもしなければいけません。どのようなときでも、診療放射線技師は患者に合わせて対応していかなければいけません。
そのためには、知識だけでなくどうすれば患者に気持ちよく検査を受けてもらえるか、何か起こった場合はどのような対応が必要なのかについても、知っておく必要があるのです。
そして、基本的な挨拶や言葉づかいについても常に気を使うことも大切です。
診療放射線技師は専門知識があるだけではダメ
療放射線技師は専門学校や大学で3年あるいは4年間の勉強をします。国家試験に合格し、晴れて就職できるようになったとしても、診療放射線技師として働くかぎりはずっと勉強を続けなくてはいけません。
また、コミュニケーションが必要なのは、患者だけではありません。一緒に働く医師や看護師などといった病院で働く人ともいい関係を築いていく必要があります。中心となる医師の情報を十分に聞き取ることや、そのほかの専門分野の仕事をしている人の意見を取り入れることもときには必要になります。
どの方法が一番よいのかについては、いろいろな意見を取り入れることで新たな発見できることもあるでしょう。また、何か問題があった場合も診療放射線技師だけで考えるのではなく、他の人に意見を聞くことはとても重要です。病院で働く他の人とコミュニケーションを取れば、患者に対してどのように対応していくかなどの手助けになる情報も得られるでしょう。
診療放射線技師はどれくらいコミュニケーション能力が必要かということがご理解いただけたでしょうか。これから転職を考えている方は、どのような求人が募集されているか確認してみましょう。
体の調子が悪い患者にとって、検査は苦痛に感じることも多いでしょう。そのような患者に気持ちよく検査を受けてもらうためには、診療放射線技師がどうやって気持ちよく検査を受けてもらえるか考える必要があるのです。患者はもちろん、同じ病院で働く人とも積極的にコミュニケーションをとっていきましょう。