不整脈治療専門臨床工学技士とは
不整脈治療専門臨床工学技士とは、不整脈の患者のために使用する医療機器の操作方法や適切に使用できているかなどの知識や技術を持った人を認定する資格です。
不整脈の治療は、薬で治療することが多かったのですが、最近では体の中にペースメーカーを取り付けることで、日常生活を支障なく送れるようになりました。ペースメーカーを埋め込むための手術は医師が行いますが、術中のペースメーカーの交換や植込み時の操作、植込み後に正常に動いているかなどのチェックなどは臨床工学技士が行うます。
また、遠隔システムでペースメーカーが通常に動作できているかなどもチェックできます。不整脈治療専門臨床工学技士は、このような不整脈に詳しい臨床工学技士を育成するために作られた資格なのです。
不整脈治療専門臨床工学技士の難易度とは
2017年の合格率は11.9%なので、かなり難しい部類に入るでしょう。
受験資格は、以下の通りです。
- 医療資格保有者
- 指定講習会を受講していること
- 指定講習会を受講して5年以内であること。5年を過ぎると受験資格がなくなります。
検定試験に合格した後あと、専門臨床工学技士と認定されるためには申請が必要です。この認定には以下のような条件が必要となっています。
認定要件
- 不整脈治療専門臨床工学技士の試験に合格していること(合格してから5年以内)
- 認定を申請してから連続して5年の間日本臨床工学技士会の会員であり会費を払っていること
- 臨床工学技士として実務経験が5年以上あり、現在も従事していること
- 認定申請前年度から5年間に1回以上日本臨床工学会に参加していること
- 取得単位表において、認定申請前年度から5年間に50単位以上を取得していること
以上の受験資格や認定要件があるので、自分の資格が満たされているか確認しておきましょう。
不整脈治療専門臨床工学技士の合格率は?
2017年に行われた不整脈治療専門臨床工学技士の受験者数は134名で、合格者は16名でした。この時の合格率は11.9%です。
平成29年度は、10月に東京で検定試験が行われました。資格試験の受験料は10,000円で申し込みは、JACE 学術機構のホームページから願書提出書類一式をダウンロードします。検定試験の申し込みは郵便になるので注意してください。提出書類の記載ができたら、簡易書留で郵送します。
試験を受験するには、受験資格だけでなく、認定要件を満たしていないと認定証および認定カードの交付を受けることができません。試験に合格し、認定申請書受療書類の審査を通過して初めて試験を取得したと認められます。また、専門認定制度は5年ごとの更新制なので、注意が必要です。
不整脈治療専門臨床工学技士の勉強方法
平成29年度に行われた不整脈治療関連指定講習会の応用編は、以下のプログラムでした。
第1日目
ペースメーカーの設定(応用)・ペースメーカーフォローアップとトラブルシューティング・CRTのアルゴリズム・ICDのアルゴリズム・ICD/CRTDフォローアップとトラブルシューティング
第2日目
遠隔モニタリングシステムとフォローアップ・EMIについて・アブレーションの原理と実際・EPSの原理と実際・PSVT・AT/AFL
第3日目
AF・VT/PVC(突発性、流出路起源、器質心疾患)・CARTO3.EnSite NavX・EnSite Array・Ryhthmiaの構造と原理)・CARTOとEnSiteの実際(臨床)
基本的には、講習会で行われる内容が試験に出ます。テキストは講習会で渡されたものを使用します。
不整脈治療専門臨床工学技士の講習会とは
不整脈治療専門臨床工学技士の資格を取得するには、不整脈治療関連指定講習会を受講する必要があります。
基礎編は2日間、応用編は3日間あります。毎年各1回実施されており、応用編を受講するには、基礎編を受講しなければなりません。ただし、基礎編は受講してから3年経つと受験資格がなくなります。
また、応用編は受講してから5年で試験の受験資格がなくなります。
平成25年までは、「ペースメーカー関連業務習得セミナー」がありましたが、修了しましたので新たにこの資格試験ができました。
受講料は以下の通りです。
基礎編 会員 12,000円 非会員 15,000円
応用編 会員 18,000円 非会員 25,000円
受講者の定員は180名で、定員になり次第、受付を締め切ります。