呼吸治療専門臨床工学技士とは
呼吸治療専門臨床工学技士とは、呼吸の機能が低下した患者のために人工呼吸器の管理や操作などを行うための資格です。
臨床工学技士は、つねに人工呼吸器が問題なく動いているか、また安全に使用されているかなどを確認します。人工呼吸器の導入時の説明や、人工呼吸器を装着した患者の搬送をお手伝いすることもあります。人工呼吸器は、NICUなど低出生体重児の治療にも使われることがあります。
新生児や乳児の呼吸管理なども、呼吸治療専門臨床工学技士の仕事です。幅広い呼吸管理に関する技術や知識を得るための資格です。呼吸治療に関する基礎的な部分から、緊急時の対応、術後のケアなど、幅広い知識を得ることができます。
呼吸治療専門臨床工学技士の難易度は?
平成29年度の合格率は9.7%で難易度は高くなります。
受験資格は、以下のようになっています。
- 医療資格保有者である
- 呼吸治療専門臨床工学技士の指定講習会を受講している
- 呼吸治療専門臨床工学技士の指定講習を受講してから5年以内であること。
受験資格を得て合格した後でも、認定要件を満たしていなければ認定証や認定カードの交付はできません。
認定要件
- 呼吸治療専門臨床工学士試験に合格していること
- 認定を申請した年から連続して5年間、正会員で会費を払っていること
- 臨床工学技士として実務経験が5年あり、現在も臨床工学技士としてはたらいていること
- 取得単位表において、認定申請前年度から5年間50単位以上を取得していること
呼吸治療専門臨床工学技士の合格率とは
平成29年度の呼吸治療専門臨床工学技士の受験者数は123名で、合格者数は12名でした。
合格率は9.7%と低いことから、難しい試験だと予想されます。講習会を一度受講していれば、5回受講機会が与えられるので、何度も挑戦する人も多いようです。
資格試験の受験料は10,000円ですが、そのほかに認定セミナーの受講料が必要です。平成30年は3月3日(土)に試験が行われます。試験の受付時間は9時から始まり、試験時間は10時から14時30分まで行われます。
場所は東京大学で、試験方法はマークシートの五者択一方式です。申し込みは、日本臨床工学技士会会員情報システムe―プレバドよりオンラインで申しこみをすることができます。合格発表は、試験会場かホームページで受験番号を掲載します。
呼吸治療専門臨床工学技士の勉強方法
呼吸治療専門臨床工学技士の講習会では、3日間の日程を組んで、以下のようなプラグラムが組まれています。臨床工学技士だけではなく、キャリアアップを目指す看護師などをはじめ、多くの医療従事者が参加しています。
第1日目
- 人工呼吸器の換気モード
- 急性期人工呼吸下の呼吸管理
- 呼吸療法に必要な解剖・生理
- モニター(グラフィックの活用)
- 鎮痛と鎮静
- 循環生理
第2日目
- 術後呼吸管理
- 人口呼吸器関連肺炎
- ECMO
- 慢性期人工呼吸関連肺炎
- 呼吸機能検査
- 酸素療法(吸入療法)と加温加湿
- 人工呼吸器の設定(実践編)
第3日目
- 胸部理学療法
- 呼吸不全の病態生理
- 胸部画像の読影
- 呼吸療法におけるフィジカルアセスメント
- 新生児・乳児の呼吸管理
呼吸治療専門臨床工学技士の講習会とは
呼吸治療専門臨床工学技士の資格を取得するには、呼吸治療専門臨床工学技士の指定講習会を受講する必要があります。受講料はテキスト代込で、会員の場合は30,000円、非会員の場合は40,000円です。
受講者の定員は144名となっており、定員になり次第受付を締め切ります。申し込みは、日本臨床工学技士会員情報システムe-プレバドよりオンラインで行うことができます。講習会を受講する方は、受験資格だけでなく認定要件を満たしているかも確認しておきましょう。場合によっては、試験に合格しても、認定申請書受領書類の審査によって認定証や認定カードを発行できないことがあります。
また、認定証・認定カードを発行できても、有効期限は5年間のみとなるので注意が必要です。