人工心臓管理技術認定士とは、心臓移植を受けるまでの間に使用する補助人工心臓に関しての専門知識を持った医療者のことです。しかし、耳慣れない資格でもあり、どんな仕事をするのか疑問に思う人もいるでしょう。
この記事では、人工心臓管理技術認定士の仕事内容や資格の取り方を紹介します。
人工心臓管理技術認定士ってどんな仕事?
急性や慢性の心不全に陥ってしまうと、心臓移植が必要になることがあります。しかし、心臓移植を受けるまでには長い時間がかかるため、何もしなければ状態は悪化する一方でしょう。
そこで、移植までの期間に行うのが、補助人工心臓を使った治療です。補助人工心臓は、動きが悪くなってしまった心臓の代わりに、全身に血液を循環させる役割を担います。
この補助人工心臓に関する専門知識を持つことで、患者さんが移植まで安心して生活を送れるように支援を行うのが、人工心臓管理技術認定士の仕事です。
人工心臓管理技術認定士の資格試験
人工心臓管理技術認定士の資格は、心臓や人工臓器に関わる四つの学会と一つの研究会の共催によって2009年に生まれた新しい認定資格です。合格率の開示はなく、医師と臨床工学技士、看護師だけが受験することができます。
ただし、受験資格には細かい規定があるので、詳しくは受験要綱を確認してください。主な受験資格は以下の通りです。
- 資格を共催する学会および研究会の会員である
- 心臓血管外科専門医認定機構が認定する認定修練施設、または日本循環器学会指定研究施設で、経験が1年以上の心臓血管麻酔専門医・心臓血管外科専門医もしくは、経験3年以上の医師・臨床工学技士・看護師
試験には筆記試験と口頭試験があり、その両方で合格点を取らなければ資格を得ることはできません。また、合格後は5年ごとに更新が必要となります。更新には一定数の症例経験やセミナー参加などの条件がありますので、詳しくは更新規約を確認してください。
給料は?どんな場所で活躍しているの?
人工心臓管理技術認定士が活躍する場所は、補助人工心臓を取り扱うような総合病院になります。人工心臓管理技術認定士としての求人はあまり見かけません。しかし、心臓移植を行うような総合病院へ転職したいと思っている人には、他の人との差別化を図りやすい資格と言えるでしょう。
年収は、取得している医療技術職の資格によって違います。また、資格手当が付くことが多いため、給料は上がりやすい傾向にあります。
人工心臓管理技術認定士は、人工心臓を使っている患者さんがよりよい生活を送ることができるよう、支援する仕事です。資格保持者はまだ少なく、とてもやりがいのある仕事と言えるでしょう。もしあなたに、人工心臓管理技術認定士の受験資格があれば、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。