医療機器情報コミュニケータ(MDIC)とは
医療機器情報コミュニケータ(MDIC)とは、医療機器を適切に使用することや、医療機器の品質向上、または、不具合が起きたときの情報など医療機器に関する専門的な情報を持つ資格です。
日々、医療機器の技術は進歩しているため、適切に医療機器を使用できているか、安全性は保たれているかなどを管理できる人が必要となります。医療機関と製造販売業者のパイプ役ともなる資格で、基本的には臨床工学技士が持っている方が多い資格です。
受講対象者は、医療機関で医療機器を使っている医療従事者(医師、看護師、臨床工学技士など)、医療機器を取り扱う管理者、教育研究期間などで医療機器の製造販売などを行う方などですが、特に実務経験については求められません。認定セミナーの受講料は、20,000円でeラーニングの受講やテキスト代金も含まれています。
MDICの難易度はどれくらい?
医療機器情報コミュニケータ(MDIC)の試験内容は、医療概論から医療情報などの基礎的な知識で、幅広い知識が求められています。2017年の合格率を見ると62%なので、特別難しいわけではありません。臨床工学技士は専門的な知識を持っているため、合格する人は多いようですが、それ以外の医療機器に携わる人は少し合格率が低くなる可能性はあります。現在、医療機器情報コミュニケータの資格を取得している人は、医療機関だけでなく、製造販売業者、教育養成機関、そのほかの施設で働く人など多くの場所で働いています。一番多いのは、医療機関で2016年現在、805施設となっています。その次に多いのが、製造販売業です。医療機器の製造販売業者が医療機関と専門的な情報を交換するためにも必要だということが、この結果から分かります。
MDICの合格率とは
2017年の受験者数は750名で合格者数は469名となっており、計算すると合格率は62%でした。2009年に行われた試験の合格者数は1122人となっているため、年々試験の難易度が高くなっていると予想されます。試験の合格者には認定カードが作られ、日本医療機器学会が行うセミナーや学会などに参加するときに必要となります。医療機器は常に技術が進歩しているため、医療機器情報コミュニケータの資格を取得し、医療機関でのヒヤリ・ハットなど不具合が起こらないように、さらなる合格者が求められていくでしょう。また、この試験に合格すると医療機関のスタッフに的確な医療機器に関する情報を提供することができるので、さらなる情報交換の必要性を感じることができます。
MDICの勉強はどうやって行う?
日本医療機器学会では、医療機器情報コミュニケータの認定セミナーを行っています。このセミナーでは、医療概論・臨床医学・臨床工学・医療情報などの4つの受講科目を4日間受講します。現在どのような医療が行われているかということから、人体の構造と働き、疾患について、また診断や治療についても学ぶことができます。また、専門的な医療機器に関する安全基準や設備などについても勉強します。セミナーでは4冊の本が与えられ、その本に沿って勉強を進めていきます。過去問は発表されていないので、基本的にはこの4冊の本やeラーニングのみを学習することとなるでしょう。この資格を取得すると、関連学術団体で実施している様々な認定資格を取得する近道にもなります。